さて『ブルース・リー死亡遊戯』（78）で主人公ビリー・ローの恋人で人気歌手アン・モリスを演じたコリーン・キャンプ特集後編です。
78版『死亡遊戯』には我々日本人が愛する東宝東和版（国際バージョン）の他に世界各国の様々なバージョンが存在します。
中でもリーさんのお膝元である香港で公開されたバージョンにはそのエンディングが国際バージョンとは編集が異なるバージョンが存在します。
それがマニアの間で“連行バージョン”、そして“波止場バージョン”と呼ばれる幾つかの別エンディングです。ビリーがDr.ランドを倒した後にトラックスーツ姿のまま香港警察にパトカーで連行される“連行バージョン”も機会を改めて考察したいのですが、今回のコリーン・キャンプ特集ではそのシーンの後にビリー（アルバート・シャムでしょう）、アン、そして新聞記者ジム・マーシャル（ギグ・ヤング）が波止場に揃い、ビリーとアンがマーシャルに見送られ笑顔で旅立つ“波止場バージョン”について考察します。
この如何にもハッピーエンドらしい別エンディングは、僅かではありますが映像が存在し78版『死亡遊戯』アジア地域公開版などで見る事が出来ます。
ただ私は以前からこの波止場のエンディングが何故“僅かな映像”しか見れないのかに注目して来ました。
その理由として主人公ビリーの友人であり新聞記者を演じたギグ・ヤングは本作『死亡遊戯』に出演したアメリカ人俳優の中ではDr.ランド役のディーン・ジャガーと並んで最も格上の俳優です。
何しろヤングはジャガーと共にアカデミー賞の助演男優賞受賞俳優で、そのヤングをわざわざ波止場まで連れ出し撮影した映像が劇場公開された本編ではほんの数10秒しか使われない。私はそれはあり得ないと思うのです。
要するに私が何が言いたいかと言うと、このビリー、アン、マーシャルが揃った波止場のシーンは実際にはもっと長く撮影されていて、そこにはマーシャルの台詞シーンも数多く存在していた可能性が高いと推測しています。でなければアカデミー助演男優賞俳優に対して余りに失礼な扱いだと言わざるを得ませんし、映画のエンディングとしても3人の会話シーンがあればより全体のバランスが取れていたと確信しています。
今回、ArrowVideoが『死亡遊戯』の未公開フィルムを管理するフォーチュンスター社のフィルムアーカイブでどの程度踏み込んだ映像探索を行ったのかは分かりませんが、この78版『死亡遊戯』の波止場のエンディング未使用映像も含めた、まさに闇に埋もれようとしている未公開フィルム探索も是非試みて欲しいと強く願います。Our Game is not Over Yet!!
Game of Death78 alternative ending scene.I believe it was too short to show on screen.
There must be more footage and need to serch at Fortune Star film archives.