さて、お待たせしました!「ドラゴンへの道」(72)出演者で知られるピーター・シュウィアー氏がピーターさんが出演した何藩監督作品「春滿丹麥」(73)と、同作品で共演したチャーリー・チャンこと陳恵敏の思い出を語る世界初の独占インタビューをお届けします。
これまでピーターさんが「ドラゴンへの道」の思い出を語った事はあっても、ある意味日本のファンにとっては幻の作品になっている「春滿丹麥」について、そして“黒道武打星”陳恵敏について、ここまで詳細に語ったインタビューはありませんでした。
そう言う意味でも我が「超級龍熱」は今回ピーターさんのインタビューを皆さんにお届け出来る事を大変嬉しく思います(^_^)。
それではピーター・シュウイアーさんが赤裸々かつ詳細に語る「春滿丹麥」、そして陳恵敏の“光と影”をどうぞ!!
ーピーターさん、今回はインタビューを快く受けて頂きまして、ありがとうございます。
ピーター いやジロウ、私こそインタビューを受けるのが遅くなってしまって申し訳なかったね。
ーいえいえ、大丈夫です😊。今回のテーマはピーターさんが出演したチャーリー・チャンこと陳恵敏主演作品「春滿丹麥」についてなんですが。
ピーター チャーリーは当時、私が住んでいた香港の九龍近くの尖沙咀では既に知られた存在だったよ。チャーリーはその頃から俳優でもあり、ナイトクラブの顔役だったからね。
ーその頃のチャーリー親分はどんな印象でしたか?
ピーター 私から見たチャーリーはナイトクラブのオーナーのプロテクター、要するに用心棒だったよ。
ーおおっと、用心棒ですか!(汗)。
ピーター そうさ!チャーリーの後ろには何時も沢山の彼のフォロワー(追っかけ)が付いて回っていたよ。私はチャーリーがそのフォロワーたちに「ああしろ!こうしろ!」と指示している様子も見たからね。まあそれはチャーリーが映画の中で見せる演技やファイトテクニックとは無関係だったけど。
ーな、なるほど(汗)。ではピーターさんがチャーリー親分と共演した「春滿丹麥」についてお話頂けますか?
ピーター 勿論さ。私が出演した「春滿丹麥」の主演俳優がチャーリーだったからね。まあ映画の出来はそれほど良くはなかったし、完成した映画を観た時も出演した事を誇れる気分じゃなかったな。この映画に関しては、とにかく脚本が本当に酷かったよ(苦笑)。
ー私もこの映画は観ましたが、結構気に入りましたよ(笑顔)。
ピーター サンキュー(笑顔)。ファイトシーンに関してはそれなりに良かったと思う。ただクンフー映画なのにセクシャルなシーンがやたら長くて観ていてイライラするよね。
恐らく制作側は当時の香港映画にヨーロッパの派手なセックス映画のティストを導入した作品にしたかったんだろう。でも余り効果はなかったかな。
ーはい、確かにエロティックなシーンが結構出て来ます。
ピーター きっと制作サイドやキャストはただ面白可笑しく制作費を使いたかったんだろうね。まあ本当のところは分からないけど。まああんな“クローズアップ”はクンフー映画には必要なかったわけだけど、それでもあの頃の香港の観客にとっては初めて観るものだったんだよ。私が思うに彼らの宣伝目的はそれなりに達成されたと思う。
ー当時は邵氏公司も同じタイプの作品を撮っていましたね。では映画でピーターさんと共演した影星たちについてお訊きします。
ピーター この映画に登場するキャストに関しては2人の人物が印象に残っている。1人は「ドラゴンへの道」(72)でも私と共演した魏平澳だ。帽子を被ったコミカルなキャラの彼さ。もう1人がマオリ人のマーク・メッテキンギィで、マークは私と同じギャング役の1人だよ。彼は香港の九龍でレストランをやっていたんだ。彼ら2人はとてもフレンドリーで私は仲が良かったんだ。特にマイクは本当にナイスガイで、私たちは映画の撮影以外でも楽しい時間を過ごしたよ。残念ながらマークは数年前に亡くなった。
ーそうでしたか。あと女デブゴンこと沈殿霞も出演していましたね。
ピーター 沈殿霞は私は個人的には交流はなかったけど、彼女は香港TVBの番組でとても有名人だった。沈殿霞は休憩時間とかで私たちエキストラとは余り話をしなかったな。
ーでは、いよいよピーターさんの出演シーンについてお話下さいますか?この映画でピーターさんは劇中で何度も登場しますね。
ピーター うん、そうなんだよ。私が映画で最初に登場するシーンだけど、あれは確か旺角にある学校の体育館を使って撮影したと思う。私たちがファイトシーンを撮っている周りをエキストラが座って取り囲んでいるけど、彼らの殆どは九龍YMCAの人間か旅行者たちだよ。このシーンはそれほどアクションも無かったし撮影も1日で終わったと思う。
ーでは次のピーターさんの出演シーンですが。
ピーター 私の2番目の出演シーンは九龍のメルリンホテルのスイートルームで撮影したんだ。このホテルは私が住んでいたアパートから道路を渡ってすぐの場所にあったから、私が撮影するセットに最も早く行けたわけだ(笑)。
ーそうだったんですね。では次のピーターさんの出演シーンですが、
ピーター 私の3番めの出演シーンはかなり長いシーンで、ここでは只のエキストラみたいに殴られて終わりではなく、私自身がファイトのシークエンスを考えなければならなかった。
要するに私はただ陳恵敏に殴られてるだけじゃなくて、私も陳恵敏に対して反撃するわけだ。
そんなに何発も殴るわけじゃなかったけど、この私とピーターのファイトシーンは撮影前に何回もリハーサルしたのを覚えているよ。それは私のファイティングテクニックの問題とかではなくて、カメラのポジションの問題だったんだけど。
ー仰るように、このファイトシーンではピーターさんがチャーリー親分にキックを入れたりとかなり力の入ったアクションですね。
ピーター そうなんだよ。あとジロウもこの映画を観ているから分かると思うけど、このチャーリーと私のファイトシーンは様々な異なるアングルや印象的なアングルで撮られているんだ。私がこの映画で1番気に入っているのがそこなんだよ。
このファイトシーンを何処で撮影したかは100%確かではないんだが、何処かのスタジオで撮影したんだと思う。
ーあとこの後にピーターさんがチャーリー親分に手紙というか文書を持参して手渡しするシーンがありますね。
ピーター 私がチャーリーに手紙を届けるシーンだけど、確かにそのシーンを撮影したのは覚えているよ。何故なら映画は冬のデンマークの設定だから、私も厚着してないといけないのに映画の衣装係が冬の衣装が用意出来ないって言うんで、私が自分のアパートから自前の冬着を持って来て着た記憶があるからね(笑)。
ーそんな事があったんですね!何かいいな〜!70年代香港映画特有の手作り感(笑)。では次がこの映画のピーターさん最後の出演シーンです。
ピーター その私の4番目の出演シーンだけど、また体育館での撮影で特別なアクションもなくて、ただブン殴れるシーンの撮影だったよ。ただジロウも知っているチャーリーが私の後で拳を構えている写真(今回のトピックに使用した写真)はこの日に撮ったんだよ。
もう1つ覚えているのがその体育館にはトランポリンがあって、撮影スタッフがカメラアングルや照明をセッティングしている間、私たちエキストラがそのトランポリンを使ったりしてたんだ。で、翌日の私は私の人生で最悪の筋肉痛を負う羽目になったわけさ。それもファイトシーンではなくトランポリンのジャンプでね(笑)。
ーそうでしたか(苦笑)。あのピーターさんとチャーリー親分の素晴らしい写真の陰には、そんな痛々しいエピソードがあったんですね(苦笑)。
ピーター ジロウ、以上が私とチャーリーが短い時間を一緒に過ごした思い出さ。繰り返しになるけど、私とチャーリーはとても良い関係だったし、彼は何時もナイスガイでフレンドリーな男だったよ。それは最後まで変わらなかった。あの頃の私は若かったし、当時の香港映画の世界はとても魅力に満ちた世界だったんだ。
ーはい。ピーターさんの仰る通りで、まさに香港映画の全盛期、黄金の70年代のド真ん中にピーターさんはいたんですね。
ピーター うん。私はチャーリーは個人的にも本当に良い関係だったし、撮影中も楽しくやれたと思うな。
ー改めて撮影中のチャーリー親分はどんな感じなんですか?
ピーター チャーリーはとてもフレンドリーで、私たちは撮影中もお互いによくジョークを飛ばし合ったりしてたよ(笑顔)。
ーチャーリー親分とは「春滿丹麥」撮影後も会いましたか?
ピーター チャーリーとは「春滿丹麥」撮影後に私の住んでいた街の近所で2度ほど見かけたよ。その時のチャーリーも相変わらずフレンドリーな男だったよ。ただね・・
ーえっ?ただ何ですか?
ピーター 私の周りの人間から「ピーター、陳恵敏とは関わるな。でないとお前もろくな最後を迎えないぞ!」と言われたんだよ。実際に誰かがチャーリーに楯突いて“後悔”したって話も聞いたよ。
ー!・・(絶句)。
ピーター ジロウ、私がチャーリーと過ごした時間について話せるのはこれだけだよ。
ーはい。ピーターさん、ありがとうございました!
ピーター あとジロウ、私は君に嫉妬してるんだぞ?
ーえっ?何でですか?
ピーター 君がFacebookで美しい女性(プロレスラー)たちと沢山写真を撮ってるからさ!(笑)。
ーいやいや〜!(汗)。ピーターさん、今回は貴重で楽しい、そして素晴らしいインタビューをありがとうございました(^_^)。
ピーター こちらこそさ。最後にジロウ、私をピーターさんと呼ぶな。私たちは直接会って、お互いに目と目で会話した仲じゃないか。ただピーターでいい。
ー・・・ピーター、本当にありがとうございました(感激)。
ピーター そう、それでいいんだ(笑顔)。
2019年8月16日、及び8月26日にFacebookにて収録。
皆さん、ピーター・シュウィアーさん独占インタビュー如何でしたでしょうか。70年代の香港映画には、それこそ沢山の外国人が様々な役柄で出演しました。
ただ一部を除いて、それらの外国人出演者たちがこれまで自身が出演した作品の思い出を詳細に語る事は殆どありませんでした。
その数少ない例外がピーターさんです。ピーターさんがリーさんこと李小龍作品「ドラゴンへの道」に出演した際のエピソードはブレット・マクファーレン氏をはじめとする関係者の尽力でほぼ明らかになりました。
ただ香港功夫映画評論家である私にとって、70年代香港クンフー映画の長い歴史において、今も異彩を放つ「春滿丹麥」に出演したピーターさんに同作品の思い出、そして主演者である陳恵敏の思い出を訊く事は決して避けては通れない事でした。
改めて私のインタビューの申し出を快く受けて下さったピーター・シュウィアーさんに心から感謝します。また今回のピーターさんのインタビューでは以下の方々に厚く感謝します。
私とピーターさんの出会いの場を作ってくれたブレット・マクファーレン氏、貴重な資料を提供してくれたトビー・ラッセル監督、映像面でサポートしてくれたミッチーミツオカさん。
皆さん、ありがとうございました😊。
For this wonderful Piet Schweer interview,we would like
to thank people below.Brett Macfarlane,Kazu Mitsuoka,Toby Russell and yes Piet Schweer.
これまでピーターさんが「ドラゴンへの道」の思い出を語った事はあっても、ある意味日本のファンにとっては幻の作品になっている「春滿丹麥」について、そして“黒道武打星”陳恵敏について、ここまで詳細に語ったインタビューはありませんでした。
そう言う意味でも我が「超級龍熱」は今回ピーターさんのインタビューを皆さんにお届け出来る事を大変嬉しく思います(^_^)。
それではピーター・シュウイアーさんが赤裸々かつ詳細に語る「春滿丹麥」、そして陳恵敏の“光と影”をどうぞ!!
ーピーターさん、今回はインタビューを快く受けて頂きまして、ありがとうございます。
ピーター いやジロウ、私こそインタビューを受けるのが遅くなってしまって申し訳なかったね。
ーいえいえ、大丈夫です😊。今回のテーマはピーターさんが出演したチャーリー・チャンこと陳恵敏主演作品「春滿丹麥」についてなんですが。
ピーター チャーリーは当時、私が住んでいた香港の九龍近くの尖沙咀では既に知られた存在だったよ。チャーリーはその頃から俳優でもあり、ナイトクラブの顔役だったからね。
ーその頃のチャーリー親分はどんな印象でしたか?
ピーター 私から見たチャーリーはナイトクラブのオーナーのプロテクター、要するに用心棒だったよ。
ーおおっと、用心棒ですか!(汗)。
ピーター そうさ!チャーリーの後ろには何時も沢山の彼のフォロワー(追っかけ)が付いて回っていたよ。私はチャーリーがそのフォロワーたちに「ああしろ!こうしろ!」と指示している様子も見たからね。まあそれはチャーリーが映画の中で見せる演技やファイトテクニックとは無関係だったけど。
ーな、なるほど(汗)。ではピーターさんがチャーリー親分と共演した「春滿丹麥」についてお話頂けますか?
ピーター 勿論さ。私が出演した「春滿丹麥」の主演俳優がチャーリーだったからね。まあ映画の出来はそれほど良くはなかったし、完成した映画を観た時も出演した事を誇れる気分じゃなかったな。この映画に関しては、とにかく脚本が本当に酷かったよ(苦笑)。
ー私もこの映画は観ましたが、結構気に入りましたよ(笑顔)。
ピーター サンキュー(笑顔)。ファイトシーンに関してはそれなりに良かったと思う。ただクンフー映画なのにセクシャルなシーンがやたら長くて観ていてイライラするよね。
恐らく制作側は当時の香港映画にヨーロッパの派手なセックス映画のティストを導入した作品にしたかったんだろう。でも余り効果はなかったかな。
ーはい、確かにエロティックなシーンが結構出て来ます。
ピーター きっと制作サイドやキャストはただ面白可笑しく制作費を使いたかったんだろうね。まあ本当のところは分からないけど。まああんな“クローズアップ”はクンフー映画には必要なかったわけだけど、それでもあの頃の香港の観客にとっては初めて観るものだったんだよ。私が思うに彼らの宣伝目的はそれなりに達成されたと思う。
ー当時は邵氏公司も同じタイプの作品を撮っていましたね。では映画でピーターさんと共演した影星たちについてお訊きします。
ピーター この映画に登場するキャストに関しては2人の人物が印象に残っている。1人は「ドラゴンへの道」(72)でも私と共演した魏平澳だ。帽子を被ったコミカルなキャラの彼さ。もう1人がマオリ人のマーク・メッテキンギィで、マークは私と同じギャング役の1人だよ。彼は香港の九龍でレストランをやっていたんだ。彼ら2人はとてもフレンドリーで私は仲が良かったんだ。特にマイクは本当にナイスガイで、私たちは映画の撮影以外でも楽しい時間を過ごしたよ。残念ながらマークは数年前に亡くなった。
ーそうでしたか。あと女デブゴンこと沈殿霞も出演していましたね。
ピーター 沈殿霞は私は個人的には交流はなかったけど、彼女は香港TVBの番組でとても有名人だった。沈殿霞は休憩時間とかで私たちエキストラとは余り話をしなかったな。
ーでは、いよいよピーターさんの出演シーンについてお話下さいますか?この映画でピーターさんは劇中で何度も登場しますね。
ピーター うん、そうなんだよ。私が映画で最初に登場するシーンだけど、あれは確か旺角にある学校の体育館を使って撮影したと思う。私たちがファイトシーンを撮っている周りをエキストラが座って取り囲んでいるけど、彼らの殆どは九龍YMCAの人間か旅行者たちだよ。このシーンはそれほどアクションも無かったし撮影も1日で終わったと思う。
ーでは次のピーターさんの出演シーンですが。
ピーター 私の2番目の出演シーンは九龍のメルリンホテルのスイートルームで撮影したんだ。このホテルは私が住んでいたアパートから道路を渡ってすぐの場所にあったから、私が撮影するセットに最も早く行けたわけだ(笑)。
ーそうだったんですね。では次のピーターさんの出演シーンですが、
ピーター 私の3番めの出演シーンはかなり長いシーンで、ここでは只のエキストラみたいに殴られて終わりではなく、私自身がファイトのシークエンスを考えなければならなかった。
要するに私はただ陳恵敏に殴られてるだけじゃなくて、私も陳恵敏に対して反撃するわけだ。
そんなに何発も殴るわけじゃなかったけど、この私とピーターのファイトシーンは撮影前に何回もリハーサルしたのを覚えているよ。それは私のファイティングテクニックの問題とかではなくて、カメラのポジションの問題だったんだけど。
ー仰るように、このファイトシーンではピーターさんがチャーリー親分にキックを入れたりとかなり力の入ったアクションですね。
ピーター そうなんだよ。あとジロウもこの映画を観ているから分かると思うけど、このチャーリーと私のファイトシーンは様々な異なるアングルや印象的なアングルで撮られているんだ。私がこの映画で1番気に入っているのがそこなんだよ。
このファイトシーンを何処で撮影したかは100%確かではないんだが、何処かのスタジオで撮影したんだと思う。
ーあとこの後にピーターさんがチャーリー親分に手紙というか文書を持参して手渡しするシーンがありますね。
ピーター 私がチャーリーに手紙を届けるシーンだけど、確かにそのシーンを撮影したのは覚えているよ。何故なら映画は冬のデンマークの設定だから、私も厚着してないといけないのに映画の衣装係が冬の衣装が用意出来ないって言うんで、私が自分のアパートから自前の冬着を持って来て着た記憶があるからね(笑)。
ーそんな事があったんですね!何かいいな〜!70年代香港映画特有の手作り感(笑)。では次がこの映画のピーターさん最後の出演シーンです。
ピーター その私の4番目の出演シーンだけど、また体育館での撮影で特別なアクションもなくて、ただブン殴れるシーンの撮影だったよ。ただジロウも知っているチャーリーが私の後で拳を構えている写真(今回のトピックに使用した写真)はこの日に撮ったんだよ。
もう1つ覚えているのがその体育館にはトランポリンがあって、撮影スタッフがカメラアングルや照明をセッティングしている間、私たちエキストラがそのトランポリンを使ったりしてたんだ。で、翌日の私は私の人生で最悪の筋肉痛を負う羽目になったわけさ。それもファイトシーンではなくトランポリンのジャンプでね(笑)。
ーそうでしたか(苦笑)。あのピーターさんとチャーリー親分の素晴らしい写真の陰には、そんな痛々しいエピソードがあったんですね(苦笑)。
ピーター ジロウ、以上が私とチャーリーが短い時間を一緒に過ごした思い出さ。繰り返しになるけど、私とチャーリーはとても良い関係だったし、彼は何時もナイスガイでフレンドリーな男だったよ。それは最後まで変わらなかった。あの頃の私は若かったし、当時の香港映画の世界はとても魅力に満ちた世界だったんだ。
ーはい。ピーターさんの仰る通りで、まさに香港映画の全盛期、黄金の70年代のド真ん中にピーターさんはいたんですね。
ピーター うん。私はチャーリーは個人的にも本当に良い関係だったし、撮影中も楽しくやれたと思うな。
ー改めて撮影中のチャーリー親分はどんな感じなんですか?
ピーター チャーリーはとてもフレンドリーで、私たちは撮影中もお互いによくジョークを飛ばし合ったりしてたよ(笑顔)。
ーチャーリー親分とは「春滿丹麥」撮影後も会いましたか?
ピーター チャーリーとは「春滿丹麥」撮影後に私の住んでいた街の近所で2度ほど見かけたよ。その時のチャーリーも相変わらずフレンドリーな男だったよ。ただね・・
ーえっ?ただ何ですか?
ピーター 私の周りの人間から「ピーター、陳恵敏とは関わるな。でないとお前もろくな最後を迎えないぞ!」と言われたんだよ。実際に誰かがチャーリーに楯突いて“後悔”したって話も聞いたよ。
ー!・・(絶句)。
ピーター ジロウ、私がチャーリーと過ごした時間について話せるのはこれだけだよ。
ーはい。ピーターさん、ありがとうございました!
ピーター あとジロウ、私は君に嫉妬してるんだぞ?
ーえっ?何でですか?
ピーター 君がFacebookで美しい女性(プロレスラー)たちと沢山写真を撮ってるからさ!(笑)。
ーいやいや〜!(汗)。ピーターさん、今回は貴重で楽しい、そして素晴らしいインタビューをありがとうございました(^_^)。
ピーター こちらこそさ。最後にジロウ、私をピーターさんと呼ぶな。私たちは直接会って、お互いに目と目で会話した仲じゃないか。ただピーターでいい。
ー・・・ピーター、本当にありがとうございました(感激)。
ピーター そう、それでいいんだ(笑顔)。
2019年8月16日、及び8月26日にFacebookにて収録。
皆さん、ピーター・シュウィアーさん独占インタビュー如何でしたでしょうか。70年代の香港映画には、それこそ沢山の外国人が様々な役柄で出演しました。
ただ一部を除いて、それらの外国人出演者たちがこれまで自身が出演した作品の思い出を詳細に語る事は殆どありませんでした。
その数少ない例外がピーターさんです。ピーターさんがリーさんこと李小龍作品「ドラゴンへの道」に出演した際のエピソードはブレット・マクファーレン氏をはじめとする関係者の尽力でほぼ明らかになりました。
ただ香港功夫映画評論家である私にとって、70年代香港クンフー映画の長い歴史において、今も異彩を放つ「春滿丹麥」に出演したピーターさんに同作品の思い出、そして主演者である陳恵敏の思い出を訊く事は決して避けては通れない事でした。
改めて私のインタビューの申し出を快く受けて下さったピーター・シュウィアーさんに心から感謝します。また今回のピーターさんのインタビューでは以下の方々に厚く感謝します。
私とピーターさんの出会いの場を作ってくれたブレット・マクファーレン氏、貴重な資料を提供してくれたトビー・ラッセル監督、映像面でサポートしてくれたミッチーミツオカさん。
皆さん、ありがとうございました😊。
For this wonderful Piet Schweer interview,we would like
to thank people below.Brett Macfarlane,Kazu Mitsuoka,Toby Russell and yes Piet Schweer.