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Channel: 超級龍熱
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その箱を絶対に開けてはならぬ!清水崇監督最新作「樹海村」来月公開!

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さて、昨日は都内某所で清水崇監督最新作「樹海村」(21)を試写で観て来ました。自殺の名所で知られる富士の樹海に古くから伝えられる呪われた箱“コトリバコ”。その箱の呪いに巻き込まれてしまった響(山田杏奈)と鳴(山口まゆ)の姉妹が遭遇する恐怖を描いています。

私は清水崇監督と言うと何と言っても「呪怨」(99)シリーズ。それも1番最初のVシネマでしたか、あれはガチで怖かった。もうあの戦慄のクライマックスが頭から離れなかったほどです。

ただその清水監督の恐怖パワーも前作「犬鳴村」(20)辺りから著しくトーンダウンしましたね。だって全然怖くなかったし、ストーリーも淡白で盛り上がりに欠けていました。残念ながら今回の「樹海村」も私は同じ感想です。

まず主人公の姉妹が“コトリバコ”の呪いに遭遇し、やがて姉妹の友人たちがそれに引きずり込まれていく展開に全く意外性が無い。分かりやすく言うと、友人たちの死に方がこれまでの清水作品で見られたそれの焼き直しでしかない。あと姉妹の母(安達祐実)と“コトリバコ”の因縁がありきたりで、それが原因でクライマックスの母娘の情愛シーンもインパクトが感じられませんでした。

ホラー映画の1番悪いパターン。それは監督がその恐怖シーンを見せたいがためにそこに至るストーリーが“継ぎ足し”である事が観客に分かってしまう事だと思います。最後に言いたいのが例えばDVDスルーのB級ゾンビ映画で特殊効果がチャチでもストーリーや登場人物のキャラが面白いとそれなりに最後まで楽しめて観てしまう作品ってありますよね。私はそういうB級ホラー映画が大好きなんですが、この「樹海村」はただ作り手側の「どうだ?怖いだろ?」的な押し付け描写ばかりが気になってしまったのが残念でした。

色々手厳しい事を書きましたが、考え方によっては現在のホラー映画はある意味“恐怖描写”自体が既にネタ切れ状態なんでしょう。そしてもっと大胆な解釈をすれば、今の私たちはスクリーンの中の恐怖より、日々の生活で直面しているコロナウィルスにこそリアルな恐怖を感じているのかも知れません。この「樹海村」は来月公開予定との事です。


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