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“天皇巨星”ジミー・ウォングは本当にアクションが下手だったのか?

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“天皇巨星”ジミー・ウォングこと王羽。この写真当時の70年代香港&台湾映画界において、ジミーがその主演作品群で多用した両腕を荒々しく旋回させながら「イッヤアアアア!」と咆哮し身構える戦闘ポーズ。
このある意味実践武術的には殆ど荒唐無稽なポーズは、他にも陳星や倉田保昭さんも盛んに見せていました。私がジミーにそれについて訊くと「ああ、あの腕を廻すポーズは俺が最初に始めたんだよ。俺のポーズを見た他の武打星連中も一斉に真似し始めたよな!」と得意気に話してくれました。
昔から「王羽はアクションが下手だ」とか言われてましたが、確かにジミーが正式に学んだ格闘技は幼い頃の燕青拳、そして学生時代に少しボクシングを齧った程度でした。
ただその王羽=アクションが下手の既成概念は、あくまでも“武打巨星”李小龍とジミーを比較した場合の話で、私自身それこそ何十本ものジミー主演作品を観て来た果てに言えば、ジミーの拳技を中心としたスピーディーかつ切れ味鋭い武打アクションは、そこら辺の欧米アクション俳優や日本人俳優など足元にも及ばない堅実で見事なアクションでした。
もうジミーさんも相当な高齢で、恐らく外出もままならない生活かも知れません。
ただそれでもジミー・ウォングが監督&主演兼任の形で遺した破天荒かつ娯楽性豊かなクンフー映画の数々は、アクション映画の醍醐味とは何か?娯楽映画とは何か?観客をどうすれば楽しませる事が出来るか?と言ったエンターテインメントの王様である映画の基本的精神を私たちファンに教えてくれました。
だからこそ、私たち香港映画ファンは今も“天皇巨星”ジミー・ウォングに対して、李小龍と同じく深い敬意を払い続けるのです。

Emperor of kung-fu movie Jimmy Wang Yu.


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