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マーティン・スコセッシ製作総指揮『カード・カウンター』来月公開!

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さて、昨日は都内某所でマーティン・スコセッシ製作、ポール・シュレイダー監督、オスカー・アイザック主演『カード・カウンター』(21)を試写で観て来ました。

米国軍刑務所に10年服役したウィリアム・テル(オスカー・アイザック)は、刑務所で覚えたカードテクニックを駆使して“小さく賭けて小さく勝つ”を自身のルールとしながらギャンブラーとして静かに目立たず生きていた。

そんなウィリアムの静かな人生が動いたのが軍刑務所でウィリアムに地獄のような悪夢体験をさせた張本人ゴード(ウィレム・デフォー)と、そのゴードを父の敵と狙う青年カーク(タイ・シェリダン)だった。ウィリアムはギャンブルブローカーの黒人女性ラ・リンダ(ティファニー・ハディッシュ)のサポートを得てポーカーの世界選手権参加を決意するが、それは自分と同じようにゴードへの激しい憎悪によって人生を狂わせようとしているカークを救い出し更生させるためだった。

ラ・リンダと互いに惹かれ合いながらも世界選手権を勝ち抜き、そこで得た大金をカークに無償で渡しカークに彼の母親と人生をやり直すと約束させたウィリアムは気力を充実させ世界選手権決勝のテーブルに着くが、そこでウィリアムを待っていたのは余りに過酷な運命だった・・!

主人公ウィリアムを演じるオスカー・アイザックの寡黙でストイックなギャンブラーは実にクールな佇まいで鮮烈な印象を残します。ただせっかく劇中でウィリアムがポーカーやブラックジャックなどカードゲームの魅力や細かいカウンティングを観客に見せているのに、クライマックスのポーカー世界選手権前後のカードゲームの闘いが何とも中途半端な描写なのが残念でした。

またウィリアムとラ・リンダの恋愛描写も後半辺りから尻切れトンボで、それがそのまま終盤のウィリアムがゴードと決着をつける場面に悪い形で引きずられ、映画も殆ど盛り上がる事なく終わるのが残念でした。

要するにシュレイダー監督がこの映画でカードギャンブラーのカードゲームの闘いの醍醐味を描きたいのか、それとも軍刑務所で人生を奪われメチャクチャにされた男の復讐劇を描きたいのか、私にはよく分かりませんでしたし、オスカー・アイザックの孤独なギャンブラーの佇まいが際立っていただけに余計にその映画の中途半端な展開が残念でした。

この『カード・カウンター』は6月16日からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷でロードショー公開との事です。


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