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Channel: 超級龍熱
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熱風!韓国LEGENDS(58)  劉永主演『電光飛龍拳』韓国バージョン、『太平原兒』の謎に迫る!

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最近ゾンビを題材としたアメリカのTVシリーズ『ウォーキング・デッド』全6話を一気に観てみたんですが、これが面白い!まあ主役であるゾンビが実は余り出て来なかったりするんですが(苦笑)、その分異様な世界の中で必死に生き残ろうとする主人公たちの濃厚な人間ドラマに思わずグイグイ!と引き込まれてしまいます。
これからいよいよ第2シーズンが観られるのかと思うと本当に楽しみですね♪

さてさて、これまたいよいよ大台の60回が目前となって来ました「熱風!韓国LEGENDS」第58回ですが、今回は午馬導演、トニー・リュウこと劉永主演作品にして日本劇場公開(東映配給)作品でもある『電光飛龍拳』(74)の韓国バージョン『太平原兒』(73)でいきましょう。
まずはこの『電光飛龍拳』で劉永が演じる主人公の顧汝章ですが、顧汝章は中国は江蘇省阜寧県出身の実在した武術家で、少林拳と鉄砂掌功の達人として知られ、またの名を“七省拳王”と呼ばれました。つまりこの『電光飛龍拳』の原題が『七省拳王』なのはそれが由来なんですね。
で、今回レビューに使用した『電光飛龍拳』の韓国バージョン『太平原兒』のソフトは「Independent International Pictures(以下IIP版)」がリリースした『Master of Martial Arts(実際の英語題名は『Manchu Boxer』)』と改題された英語版&ワイドスクリーン仕様なんですが、驚くべき事にこの「IIP」版のオープニング・クレジットのキャスト&スタッフ名が全て韓国人のキャスト&スタッフを英語で表記しているんです!例えば劉永がYoo Yung Yong、金?珠をKim Gi Joo、そして何よりも導演名が香港バージョンの導演である午馬ではなくKim See Hyun、つまり韓国バージョンの導演である金時顕が表記されているんですねー!
このような韓国バージョンのプリントを使用した英語版という、何とも貴重かつユニークな「IIP」版『太平原兒』のソフトが存在している理由ですが、恐らくは何らかの理由で韓国バージョンである『太平原兒』のプリントが欧米に流出し、アーサー・デイビス率いる「IIP」サイドが英語題名の部分(『太平原兒』の本来の英語題名は『Oh!The Great Plain 』)だけを『Master of Martial Arts』に改題したものの、『太平原兒』のキャスト&スタッフのクレジット部分は韓国人のクレジット名をそのまま英訳してしまったのではないでしょうか。うう〜ん、これはこの『太平原兒』のソフトに関してはまだまだ探究する余地がありそうですね・・。

ちなみにこちらが韓国バージョン『太平原兒』の貴重な劇場公開当時のオリジナル・ポスターです↓
http://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=hcr333&logNo=120126519375&viewDate=¤tPage=1&listtype=0&from=postList

またこちらが韓国映像資料院の『太平原兒』の詳細データです→http://www.kmdb.or.kr/movie/md_basic.asp?nation=K&p_da대평원아taid=02672

さて、その『電光飛龍拳』の韓国バージョン『太平原兒』ですが、オープニングから『電光飛龍拳』とは編集が異なります。今回私が同じくレビューに使用した『電光飛龍拳』は20年ほど前に同作品が台湾でTV放送された物を録画したVHS(北京語&中文字幕)で、そのオープニングではクレジット・タイトルを兼ねて劉永演じる顧汝章が鉄砂掌功の特訓を行うシーンが出て来ます。しかし『太平原兒』ではこの鉄砂掌功の特訓シーンはバッサリとカットされていて、いきなり川原(言い忘れましたが、本作は全編韓国ロケーションを行っています)で顧汝章が午馬と決闘する場面から始まり、その後顧汝章が父親の顧利之から涙の絶縁状を突き付けられ、家を出て行くシーンに被さるように無人の川原をバックに韓国バージョンのスタッフ&キャスト名が映し出されていきます。
さらにこの『太平原兒』には当然金?珠、金基範、 李芸敏ら韓国人俳優が多数出演しているんですが、中でも金?珠演じる悪漢の錢世仁の2人の部下である橋本(唐山。即:唐偉成)と岡村(洪金寶!本作武術指導担当)が初めて画面に登場するシーンが『電光飛龍拳』とは編集が異なっていました。さらには本作のもう1人の主役で顧汝章に協力する韋七(高強。若い!)が錢世仁一派に惨殺されるシーンも、『電光飛龍拳』には無かった韋七が自分の身体に短刀が突き刺さり悶え苦しむスローモーション描写、そして最後には韋七が自ら短刀を抜き去り崩れ落ちるまでのシーンが『太平原兒』には収録されていました。(但しこのシーンは単に『電光飛龍拳』がTV放送された際にカットした可能性もありますね)またラストの顧汝章vs錢世仁の一騎打ちでも、顧汝章が錢世仁に止めの一撃を叩き込む際に『電光飛龍拳』で見られた鉄砂掌功の特訓シーンをシンクロさせるカットが『太平原兒』では全てカットされていました。そのため劉永の本気(?)の掌底が金?珠の顔面にモロに「ガーン!」と入ってしまうカットが『太平原兒』ではかなりハッキリと見れてちょっと苦笑してしまったのですが(苦笑)。

最後に今後の「熱風!韓国LEGENDS」ですが、韓国映画における女武打星系列映画、つまりは韓国女性モダン・アクション映画を特集する「韓国女猛龍列伝」なる、まさに「超級龍熱」、いや「熱風!韓国LEGENDS」でしか出来ないユニークな特集企画も予定していますので、どうぞお楽しみに!
と言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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