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Channel: 超級龍熱
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これぞホラー映画版『破れ!唐人剣』だ!天地茂&ポール・ナッシー主演『狼男とサムライ』

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さてさて、最近前から欲しかったハシント・モリナ(ポール・ナッシーの変名)監督、天地茂&ポール・ナッシー(即:ポール・ナッチー)主演『狼男とサムライ』(84)の日本(CCA)製オリジナルVHSを入手しました(K君、ありがとう!)。実はこの『狼男とサムライ』は大昔によくレンタルビデオ屋で見かけてはいたのですが、そのオリジナルVHSとなると今では非常に入手が困難で、かなり前に都内の神保町の中古ビデオ屋で見かけた時もその値札の金額を見て余りの高額に「ギョギョッ!」となったまま購入を断念し今日に至っていたわけです(苦笑)。
で、この『狼男とサムライ』ですが、どうも公開自体がTV放送だったようで、この日本製VHS自体も日本語吹き替え版となっています。でも日本語吹き替えでホラー(モンスター)映画を観るのが大好きな私としては全くの無問題だし、むしろ今は亡き天地さん演じる貴庵の雄姿を日本語で堪能出来るのが最高に嬉しいなぁ♪
物語的には中世のスペインで女吸血鬼の呪いで狼男となってしまった男バルデマル(スペインが生んだB級ホラー映画の帝王ポール・ナッシー!)が織田信長(宮口二郎)が納めている時代の日本は京都にやって来ると、優れた医者で剣の達人である貴庵(天地茂。拍手!)と対決!という展開で、要するに勝新太郎演じる座頭市が王羽演じる片腕剣士王剛と対決した時代劇『新座頭市/破れ!唐人剣』(70)のプロットをホラー映画に置き換えた作品って感じでしょうか?(メチャ強引な解釈ですが♪)
ただ巷ではこの『狼男とサムライ』は一部ではバカ映画と決め付けられているようですが決してそんな事はなく、例えばナッチーが狼男に変身(狼男のメーキャップも秀逸)し居酒屋の客を無差別に襲ったり、露天風呂に入っている貴庵が忍者軍団と大乱闘を展開したり、まるで『Gメン75』の香港編「Gメン対香港の人喰い虎」を彷彿させる狼男vs(本物の)猛虎(シーザーじゃなくて♪)五郎丸の“野獣デスマッチ”が見られたり、狼男vs妖女里美の憎悪漲る血戦があったりと、オドロオドロした怪奇ムードの中にもこれらのアクション・シーンがタイミング良く挿入されていて、観ていて飽きる事がありません。また貴庵に扮した天地さんの剣さばきも、流石は新東宝で鍛えたそれは「ビシッ」と型の決まった見事な殺陣でしたね。
で、映画の最後では貴庵と狼男に変身したバルデマルが死闘を展開し、貴庵を追い詰めたバルデマルですが、バルデマルを愛する貴庵の妹が手にした銀の刀で胸を貫かれ、バルデマルはその場に崩れ落ち・・・静かに人間の姿に戻るとそのまま息絶える、という結末でした。
この『狼男とサムライ』を『新座頭市/破れ!唐人剣』のホラー映画版と敢えて位置付けた私ですが、その2つの国のスターが真っ向勝負する企画の衝撃度もさることながら、『新座頭市/破れ!唐人剣』に未だ一般ファンの目に触れない王羽が勝新に勝利する“香港公開バージョン”が存在するように、この『狼男とサムライ』にも日本版より20分も長い完全版が存在するそうで、その完全版のエンディングでは天地さんと池波志乃さんのデュエット「絆」がフルコーラスで流れたりと、これはちょっと完全版が観たいなぁ!
またこの『狼男とサムライ』はスペインと天地さんの「天地プロ」の合作なんですが、制作をめぐってトラブルがあったりで、天知さんがフィルムの到着を待たずに亡くなった事もあり、日本版の天地さん演じる貴庵の吹き替えは同作品で織田信長を演じた宮口二郎さん(ショッカーの大幹部ゾル大佐!ちなみにゾル大佐の変身した姿も狼男!!)が担当しています。
私にとって天地茂さんと言うと、子供の頃にテレビで観ていた『非情のライセンス』や土曜ワイド劇場の『江戸川乱歩の美女シリーズ』の明智小五郎なんですが、ある時テレビで素顔の天地さんを観た時に『非情のライセンス』で天地さんの代名詞だった“眉間の皺”が無く、実に穏やかで気さくな人だったのにビックリしたのを覚えています。

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