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Channel: 超級龍熱
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「死亡遊戯:完全版2015」 ① 乱戦!グランドフロア!“韓国の猛将”編

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(ここまでのあらすじ)無敵を誇りながら武術界から引退したばかりの格闘家ハイ・ティエンは、妹のリーエルや弟ローバと韓国に赴いた際、空港で何者かにリーエルたちを誘拐される。リーエルたちを拉致したのは韓国人黒社会のボス王国豪だった。王はハイ・ティエンにリーエルらの解放の交換条件として韓国奥地にある五重塔の最上階に隠された“秘宝”の奪取を強いる。
さらに王は用意した8㎜映像をハイ・ティエンに見せながら、金属探知機が装備された五重塔の各階には世界各国から選りすぐられた凄腕の挌闘家たちが待ち受けている事をハイ・ティエンに告げ、王が呼び寄せた4人の武術家の同行をハイ・ティエンに強要するのだった。
愛する妹たちのため選択の余地すらないハイ・ティエンは、素性や武術の腕前さえ不明の挑戦者たちと共に“命懸けのデスゲーム”に挑むべく、謎が渦巻く五重塔へと向かった・・・!

「バン!・・・バン!」大型バンのドアが開けては閉じられ、そこから手にバオとバッグを持ったスーツ姿のハイ・ティエン(李小龍!)、両肩に黒の5本線が入った白シャツ姿のジェームズ(田俊)、黒の道着を着込んだカイ(解元)、白の空手着姿のワン(黄家達)、派手な柄シャツ姿のリュウ(劉永)、そして真っ赤なシャツに赤ら顔のアコン(李昆)が次々と降りて来る。
ここは韓国の奥地。周りを山に囲まれ静まり返った寺院を前に、6人の挑戦者たちは目の前に不気味に聳え立つ五重塔をジッと見上げていた。
「本当にここなのか?」ハイ・ティエンがアコンに振り向き問う。アコンは「そうさ!俺の役目はあの塔の1階の門の開錠だけさ。あとはアンタらにお任せってな!キヒヒヒ!」。
ハイ・ティエンが「なら、直ぐに塔に入ろう!」と手にしたバッグを開けようとした時、傍らのジェームズが「おい、リーダー気取りは止めろ!何を仕切ってんだ?」とハイ・ティエンに詰め寄る。思わず他の3人の武術家たちの視線がハイテイエンとジェームズに注がれる。
ハイ・ティエンが「別に仕切るつもりはないさ」「何ならこの場でお前と勝負したっていいぜ!どうする?ハイ師父さんよぉ!」
と、ジェームズがハイ・ティエンに一歩迫った時!「忍者練武館」の文字が入った空手着を着たワンが五重塔の裏から一斉に走り出て来る屈強な集団を指差し叫んだ。「来たぞ!奴らだ!」
ハイ・ティエンたちの視線の先には、優に50人を超える空手着を着込んだ集団が怒号と共にこちらに迫って来る姿が飛び込んで来た!
「アコン、お前は私の傍を離れるな!」ハイ・ティエンの声にアコンが「ヒ、ヒャア!」と慌てて最強と言われる格闘家の背後に隠れる。
そのハイ・ティエンの声を合図にするかのようにジェームズ、カイ、ワンらもそれぞれ一斉に「バッ!」「バッ!バッ!」と身構え、臨戦態勢に入る!!
それを見た空手家軍団の戦闘の男が迫りながら叫んだ!「五重塔に迫る者には“死”あるのみ!キエエエエエ!」
「何言ってやがる!いやあああ!」ジェームズが呼応するかのようにその空手家の顔面に鉄拳を叩き込む!それに続くカイ!ワン!何故か1人その場でオロオロするリュウ!
「アワワ!始まった!始まった!」ハイ・ティエンは怯えたような顔で叫ぶアコンに不敵な笑みを浮かべると、大乱闘が繰り広げられている五重塔の真下でユックリとスーツを脱ぎ始める。
鍛え抜かれた上半身を露わにしたハイ・ティエンは靴を脱ぎ棄て、バッグから目の覚めるような黄色に黒のラインが入ったトラックスーツ、同じく黄色のシューズを取り出すと手にあったスーツとズボンを脱ぎ捨て天高く舞い上げる!
一瞬でトラックスーツとシューズを身に付け、背中のジッパーを引き上げたハイ・ティエンは、傍らでそれを呆然と見つめるアコンに手にしたバオと黒のヌンチャクケーズを渡すと「私の傍を離れるな?」と静かに呟く。
そして大乱戦の真っ只中に向き直り、全身のエネルギーを一気に放出するかのように咆哮する!「オオオオォォ・・・アチョアアアアァァ!!」
その姿はまさに勇敢にして獰猛な黄色い虎!・・・黄面虎!!!
「アジョア!アダァァ!」ハイ・ティエンは目の前の空手家たちを次々と電撃の廻し蹴りで蹴散らすと、猛然と五重塔の1階部分目指して走り出す!
それを見たジェーズやカイもハイ・ティエンに続く!転びそうになりながら追走するリュウとアコン!それを追撃する空手家軍団!
「アコン、さあ、お前の出番だ!」「判、判ってる!急かすなって!」
アコンが開錠キットを取り出し頑丈な錠前と格闘する中、ハイ・ティエンやジェームズは背後から自分たちに群がる空手家軍団に突きや蹴りを片っ端から叩き込んでいく!
「よし、開いたぞ!」アコンの声にハイ・ティエンが門を力一杯押し開けると、その隙を突いてジェームズ、カイ、リュウらがドッと塔の内部に走り込んでいく!
「待て!」「知るかよ!」それにワンが続こうとした時!ハイ・ティエンたちの猛攻から生き残っていた空手家軍団がハイエナのようにワンに襲いかかった!
「ぐわああああ!」「あっワン!?」走り寄ったハイ・ティエンが空手家軍団を蹴散らした時、既にワンは全身打撲で虫の息となっていた。
ワンを仕留めた事を見届けた空手家軍団は「警告はしたぞ?今からでも遅くはない。ここから立ち去れ!」と言い残すと、ジリジリと後ずさりしながらその場を走り去っていく。
ハイ・ティエンが血に染まったワンを抱き起こす。ワンはハイ・ティエンを見上げ口から血を吐きながら「ハイ師父、どうか母を頼む!・・・母を!」と縋るように呻く。
ハイ・ティエンはいま息絶えようとしているワンを力強く支えると「判った。出来るだけの事はしよう」と答えるのだった・・・。
ガックリと息絶えたワンをソッと地面に横たえたハイ・ティエンは、傍らで震えているアコンに「お前はここで私たちを待て。塔の全ての番人を倒したら塔の窓からそれをお前に伝える。いいな?」と言い含めながらバオとヌンチャクケースをアコンから受け取ると、そのまま五重塔の1階へと歩を進めるのだった。
「ハ、ハイ・ティエンさんよ、頼んだぜ?5階の“化け物”には気をつけろよぉ!」
アコンの不安げな声を背に受けながら、ハイ・ティエンは用心深く五重塔の1階へと入っていった・・・!

ハイ・ティエン(金泰靖)が塔の入り口部分に設置された金属探知機の不気味な光を確認しながら1階に入ると、そこはエキゾチックなデザインが施されたホールで、正面に巨大な「鷲」のエンブレムが誇らしげに掲げられていた。
ハイ・ティエンがそのまま視線をホールの中央に移すと、襟に黒のライン、胸に「鷲」のマークの入った道着を着た韓国人がリュウに圧し掛かりながら腕の関節を決め絞り上げていた!
「あ!あ!痛!痛!あああああああ!」リュウの情けない悲鳴がホールに響き渡る。その傍らでジェームズとカイがジッと闘いを見守っている。ジェームズはハイ・ティエンに気ずくと「ワンはどうした?」と問う。
ハイ・ティエンが短く「ワンは死んだ」とだけ答えると、ジェームズは「フン!」と鼻を鳴らし、再び韓国人武道家がリュウ相手に披露する関節技地獄に視線を戻す。

1階の番人にして韓国人武道家ソーチュン・キム(黄仁植)は、息も絶え絶えのリュウを蹴飛ばすと、ハイ・ティエンを睨み付ける。その視線を真っ向から受け止めるハイ・ティエン。キムが憮然と問う「お前・・・中国人だな?流派は!」。
ハイ・ティエンが答える「截拳道だ。お前は王国豪の8㎜に写っていた韓国人だな」「截拳道だと?聞いたことがない!いいか、我ら韓国武術こそ最強無敵なのだぁ!」
ハイ・ティエンはキムの雄叫びにバオとヌンチャクケースを床に投げ捨て、トラックスーツの袖を捲り上げながら悠然と身構えると「先を急ぐんだ。さあ、始めよう!」と声をかける。
「はいやああああ!」ソーチュン・キムの廻し蹴りがハイ・ティエンに放たれる!
「ウアタァァ!」ハイ・ティエンがキムの軸足を蹴り上げる!「ぐおぁ!?」バランスを崩し床に叩き着けられるキム!「パチ!パチ!」傍らで思わずカイが拍手する。
それを睨むジェームズ。
「うぬう!・・・あいやああああ!」立ちあがったキムの連続の廻し蹴りがハイ・ティエンに迫る!ハイ・ティエンはステップバックするとキムの膝の裏に鋭いローキックを叩き込む!
「オワダァ!」「ぐぎゃっ!イセッキヤァァ!」キムはヨロケながらも身体を反転させ再度の右からの後ろ廻し蹴り!その蹴りはハイ・ティエンの右の頬を直撃する!
思わず動きを止めるハイ・ティエンに、すかさずジェームズが「おいおい、頼むぜ?最強の格闘家さんよぉ?ヒャハハハ!」と声を上げて嘲笑する。
ソーチュン・キムは右脚を宙に高々と蹴り上げ、そのまま制止させると「どうした?4階の大師父の韓国合気道はこんな物じゃないぞ?命がある内にこの塔から立ち去れぃ!」と咆哮。
それに対して一瞬自分の鼻先を擦って見せたハイ・ティエンは再び構えると、ソーチュン・キムとの間合いを測りながら接近する。
「オワチャアア!」「はいいいぃぃや!」2人は同時にホールの中央に向かって突進すると猛然と蹴り合う!激しい蹴りの応酬から、ハイ・ティエンの猛スピードの中段蹴りがキムの顎を直撃する!「オオオチャァ!」「ぐえっ!」
さらにハイ・ティエンはヨロけるキムの顔面を連続で蹴り上げ、既に意識を失いつつある韓国人武術家を抱え逆さに持ち上げると、そのまま一気にキムを脳天から床に叩き着ける!!!
「ウリャアアォォ・・オジョアァ!!」「ぐぎゃああああ・・・!」ハイ・ティエンの荒技で頭部を砕かれたソーチュン・キムは即死した。

ハイ・ティエンの勝利を見届けたジェームズ、カイ、リュウは小走りでハイ・ティエンに駆け寄る。腕の関節を外されたリュウは脂汗を垂らしながら「ハイ・ティエン、お前は本当に強えな!」と勝利者を讃えるが、ジェームズはジッとハイ・ティエンのダメージを観察するような冷酷な視線を注ぎながら「さぁって、2階に上がるか!」と吐き捨てると、ハイ・ティエンを置いて2階への階段を駆け上がっていく。慌ててジェームズを追うカイとリュウ。
ハイ・ティエンはバオとヌンチャクケースを拾い上げると、かつてないほど見事な蹴り技を誇った韓国人武術家の亡骸に一瞬視線を落とすと、ジェームズたちが駆け上がって行った階段にユックリと歩を進めるのだった。
以下、第2章「裏切りと脱落!“死のカマキリ”編」に続く!真夏の一夜限りの夢、“デスゲーム”を貴方と共に!!

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