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Channel: 超級龍熱
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「Shadow Warrior from GOD/金泰靖スペシャル」④ 撮り直されていた“ロッカールームの死闘”!!

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さて、「Shadow Warrior from GOD/金泰靖スペシャル」第4回です。
ロバート・クローズ監督作品「ブルース・リー死亡遊戯」中盤における最大の見せ場がロッカー・ルームを舞台に繰り広げられるビリー・ロー(金泰靖)vsカール・ミラー(ボブ・ウォール)の壮絶なファイト、俗に言う“ロッカールームの死闘”である事に異論がある方はいないでしょう。
このサモ・ハン渾身の武術指導によるファイト・シーンは、アジア地域公開に収録された金泰靖演じるビリーvs劉野川(王虎)の“温室の決闘”と並ぶサモ・ハンの“闘神再現アクション”のベストワークでもあります。
でもちょっと待って下さい。皆さんには今回アップしたこの“ロッカールームの死闘”のスチール写真をよく見て頂きたいんですが、ビリーの着ている中国服や周囲のロッカールームのセットが実際に公開されたファイト・シーンとは微妙に異なっているに気がつきましたか?
そうなんです。この金泰靖vsカール・ミラーの“ロッカールームの死闘”、実は1度撮り終わったファイト・シーンを、何らかの事情でもう1度撮り直していたんですね。
そして、この今回アップしたスチールこそ最終的にはお蔵入り、つまり1度撮影を終了しながらも結局はボツになった“幻のファイト・シーン”の貴重な1枚だと思われます。さらに今回の特集企画では、以前にボブ・ウォールが海外の某ネット媒体のインタビューに答える形で、この“ロッカールームの死闘”を撮り直した経緯について語っている部分をご紹介したいと思います。では、どうぞ!

ボブ・ウォール「実際にはだな、「死亡遊戯」では3人の人間がビリー・ローを演じたんだ。まず英語の台詞を喋る中国人(岑岳柏)で、この男は武術は全く出来なかったんで台詞シーン専門だったね。もう1人の男(元彪?)はスタント専門で武術以外の全てのオートバイのシーンや、全ての衝突シーンを受け持っていた。この男も全く英語が喋れなかったよ。
で、最後の1人が韓国人(金泰靖)で、この男は格闘シーン担当だったけど、コイツは自分の脚も支える事が出来ねえんだよ!それだからこの韓国人と俺のロッカールームの決闘で俺が顔面を5連続で蹴られるシーンがあるだろ?あれ実は俺を蹴ってるのは俺なんだよ!
あの韓国人が俺にキックを決めるシーンで自分の脚も上げたまま支えられねえから、まず俺の腰から脚を撮りながらバン!バン!バン!バン!バン!って俺が蹴るとこを撮るだろ。そうしたら今度は俺がカメラの反対側に回って「あう!あう!あうあ!あうあ!あうあ!」って顔面を蹴られてるとこを撮ったんだよ。だからこの5連続キックは“俺が俺を蹴ってる”んだよ。それを上手く編集して繋げたんだ。
それとサモ・ハンな、いま(取材当時)TVドラマの「マーシャル・ロウ」に出てる奴さ。アイツも俺が「死亡遊戯」の中でブッ倒してやった男さ。このサモ・ハンが俺が77年にもう1度「死亡遊戯」の撮影で香港に戻って来た時にファイト・シーンを仕切っていた男で、香港に戻った俺は最初にサモ・ハンにこう言ったんだ。
オイオイ?ロバート・クローズ?勘弁してくれよって!アイツは世界最低の映画監督だぜ?サモ、アイツはお前の作り上げたファイト・シーンをメチャクチャにしちまうぞ!?ってな。
大体な、俺を香港に呼び戻したのだってアイツら全員汚いんだよ。俺が香港を出たのが77年の10月で、俺が連中から「ボブ、もう1度ロッカールームの決闘を撮り直さないといけなくなった」と香港に呼び戻されたのが同じ年の12月だよ。
で、俺は連中に言ったんだ。もし俺が香港に戻るとしたら方法は1つだけある。それを契約書に記載しろ。それはロバート・クローズを香港から追い出す事だ!
そうすれば俺は香港に戻るって言ったんだよ。そうして香港に戻った俺はサモ・ハンやクルーと一緒にロッカールームの決闘の全てのシーンと、俺とロー・チェン(サモ・ハン)のリングの試合シーンを撮り直したんだ。それを全て監督したのが俺さ。俺とサモ・ハンでね。
最後にハッキリ言っておくぜ。ロバート・クローズはただの馬鹿で、あの野郎がもう映画を撮れなくなった事は世界にとって幸運以外の何物でもないって事さ!」

いや~辛辣なインタビューですねえ!(^_^;)。このインタビューを読むと、如何にボブ・ウォールがクローズ監督や金泰靖を上から目線と言いますか、毛嫌いしていたかが十分過ぎるほどに判ります。
まあ、そういうウォールご本人も昔から虚言癖のある人ですけどね(^。^)。
ただこの78版「死亡遊戯」の“ロッカールームの死闘”に関しては、例の伝説のHP「金泰中HP」でも金泰靖本人(またはそれに近い人物)がより詳細に語っているんですが、そこでもウォールの金泰靖に対する、まさに“パワハラ”と言っても良いほどの強烈な虐め行為が延々と書かれていて、考え方によってはよくぞこの2人、あれほどの激しいファイト・シーンを撮っている最中にお互いが“不慮のアクシデント”もなく無事に撮り終わったなぁ、と思いますねえ(溜息)。
それでも、依然そこには1度は撮り終えた“ロッカールームの死闘”を何故スタッフ&俳優たちを再度呼び戻してまで撮り直したのか?そのお蔵入りしたバージョンの“ロッカールームの死闘”のフィルムは現在何処にあるのか?などの肝心部分の謎はまだ解明されてはいないわけで、それらは私にとっても今後の検証課題となっていきそうです。
さあ、次回の「Shadow Warrior from GOD/金泰靖スペシャル」は、いよいよ第5回にして最終回となりますが、その最終回を飾るのは78版「死亡遊戯」の“出演者”、それも意外な人物が語る金泰靖の思い出を中心にお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに!!

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