さてさて、今日は都内某所でジェラルド・バレット監督、クロエ・グレース・モレッツ主演「彼女が目覚めるその日まで」(16)のマスコミ試写に行って来ました。
憧れのニューヨーク・ポスト紙で働く21歳の女性スザンナ・キャラハン(クロエ・グレース・モレッツ)は上司や同僚にも恵まれ、さらには愛する彼スティーヴン(トーマス・マン)も両親に紹介するなど、まさに幸せを絵に描いたような日々を送っていました。
しかしある日突然スザンナの頭に“魔物”が忍び寄ります。原因不明の幻聴や頭痛に悩まれ始めたスザンナは大事なインタビュー取材に失敗し、両親(リチャード・アーミテイジ&キャリー=アン・モス)に対しても罵声を浴びせるなど奇行を繰り返します。
上司からは見放され、医師にも「異常なしだ。酒の飲み過ぎでは?」と診断され全てを失ったスザンナ。絶望し途方に暮れるスザンナは、ある日手足が激しい痙攣を起こしそのまま入院します。
てんかん?アルコール依存症?双極性障害?総合失調症?それとも?病院で何度精密検査を繰り返しても結果は「異常なし」。
それでも日に日に衰弱していくスザンナに医師たちは、スザンナの両親に精神科の病院への入院を薦めるのでした。
「スザンナは精神病じゃない!絶対に違う!」追い詰められたスザンナの父親と母親は、スザンナの恋人スティーヴンのある言葉に突き動かされた医師が協力を仰いだナジャー医師(ナヴィド・ネガーバン)に最後の希望を託すのでした。
既にベッドの上で何に対しても反応しないスザンナと対面したナジャー医師はスザンナに優しくこう囁きます。「スザンナ、私はきっと隠れている君を見つけてみせるよ」
こうしてナジャー医師の懸命の診察が始まります。そして判明したスザンナの驚くべき病名とは?そしてスザンナはその難病を克服する事ができるのか?
実際にニューヨーク・ポスト社で働き、この恐るべき難病「抗NMDA受容体脳炎」と闘い克服した女性スザンナ・キャラハンが書いた「脳に棲む魔物」を基にあのシャーリーズ・セロンが制作を担当し映画化された本作ですが、劇中でクロエ嬢を襲う数々の奇妙かつ驚愕の症状がある1本の恐怖映画を思い起こさせます。
そうです、「エクソシスト」(74)です。実は「エクソシスト」でリンダ・ブレアが演じた悪魔に憑りつかれた少女リーガンのモデルとなった実在の少年もこの「抗NMDA受容体脳炎」の典型的な症例だったと指摘されています。
主人公スザンナに扮するクロエ・グレース・モレッツの全身全霊の熱演も勿論ですが、スザンナの両親や恋人、そして医師たち全員がスザンナの命を何とか救おうと、決して希望を捨てずにひたすら突き進む姿は素晴らしく感動的です。
この「彼女が目覚めるその日まで」は12月16日より角川シネマ有楽町などでロードショー公開となりますので是非。