お待たせしました!我らが“和製ドラゴン”倉田保昭特集、いよいよ「超級龍熱」でもスタートです。
これまでブログ「超級龍熱」でも倉田さんの特集は何度もやっていますが、今回は敢えてちょっと変化球的な特集でいきたいと思います😉。で、いきなりですが倉田さんの凱旋帰国作品「帰って来たドラゴン」(74)です。
龍熱はこの映画を74年に銀座で「小さな恋のメロディ」(71)と2本立てで観ました。
今では「帰って来たドラゴン」を劇場の大スクリーンで観ている人間は殆どいないかと思いますが、当時の龍熱少年がこの映画を観て何よりビックリしたのがラストの梁小龍と倉田さんのド迫力の攻防ハイスパートクンフーでした。
何故なら梁小龍が倉田さんに怒濤の連続飛び廻し蹴りを叩き込むと倉田さんがその衝撃で思わず後方に仰け反るわけです。
ここで例えばリーさんこと李小龍主演のクンフー映画なら、観客にその連続蹴りを受けた人間のダメージを伝えるための「間」が設けられるわけです。何故ならそれがリアルだからです。
ところが「帰って来た〜」のブラックジャガーこと倉田さんは一瞬後方に仰け反りながらも、直ぐに何も無かった(!)かのように梁小龍に反撃の連続蹴りを叩き込んでいくじゃないですかー!?
要するにこの梁小龍vs倉田保昭のクンフーファイトには闘いにおける起承転結、または嫌な言葉ですがプロレスで言うセールが存在しないメチャクチャな攻防だったんですね。
で、さらにそのメチャクチャかつ壮絶なハイスパートクンフーが延々10分近くも続くわけです。これは当時リアリズムに満ちた李小龍映画を先に観ていた龍熱少年にとっては良い意味でも、また逆の意味でも強烈なインパクトでした。そこには倉田さんや監督の呉思遠の「李小龍と同じようなクンフーアクションをやっていたら香港の観客はすぐに罵声を浴びせて映画館から出ていってしまう。それなら俺たちはいっそ真逆のアクション、それも最初から一気呵成に動いて動いて動きまくるハイスパートなクンフーファイトで勝負するぞ!」との熱きモチベーションがあったのです。
これが今も世界中のファンが「帰って来たドラゴン」を70年代不滅のクンフー映画として絶賛し続ける要因となった殴っては走り、走っては殴る、梁小龍&倉田保昭独自のファイトスタイル、所謂ハイスパートクンフー誕生の瞬間でした。
また龍熱少年がこの梁小龍vs倉田さんのクンフーファイトでもう1つ印象に残っているのがブラックジャガーが梁小龍ことゴールデンドラゴンを高々と宙に投げ上げ、舞い落ちて来るドラゴンを待ち受けていたブラックジャガーが受け止めそこから再度ドラゴンを投げる、つまりTVドラマ「柔道一直線」(69〜71)の主人公一条直也の必殺技二段投げを披露している事でした。
倉田さんが「柔道一直線」に鳴門三郎役で出演している事を知っていた龍熱は、倉田さんにインタビューした時にそれを確認したのは言うまでもありません👍。
龍熱「あの「帰って来たドラゴン」で倉田さんが見せた二段投げは、やっぱり「柔道一直線」からヒントを得たんですか?」
倉田さん「いいえ、違います(キッパリ!)」
そう、“和製ドラゴン”と龍熱は何時でも何処でも真剣勝負!
変化球と言いながら、第1回からコテコテ😅に書きまくってしまった特集「伝説のドラゴン、倉田保昭」、次回をお楽しみに!!
Bruce Laing and Yasuaki Kurata in Call Me Dragon.