さて、コロナもやや鎮圧化されそうな中、昨日は久々に都内某所でユヴァル・アドラー監督、ノオミ・ラパス主演「マヤの秘密」(20)を試写で観て来ました。
1950年後半アメリカ郊外の街で医師の夫ルイス(クリス・メッシーナ)と幼い息子と幸せに暮らす女性マヤ(ノオミ・ラパス)。しかしそのマヤの静かな平和は1人の男の指笛をマヤが聞いた事で一瞬で崩壊します。
その指笛こそ戦時中にマヤを冷酷に強姦し愛する妹を殺害したナチス軍人の指笛だったからです。その日からマヤのその男トーマス(ジョエル・キナマン)を監視する日々が始まります。
マヤ「あの男よ!間違いないわ!絶対に許せない!」
戦後は夫や息子との幸せな暮らしでマヤの心の奥に封印されていた凄まじい怒りと怨念が甦り、マヤはとうとうトーマスを拉致し自分の家の地下室に監禁します。マヤはトーマスの口から自分がマヤを陵辱し妹を殺したナチス軍人だと自白させようと激しい尋問と拷問でトーマスを責め立てます!マヤの狂気が爆発する様子に戸惑いながらも協力する夫ルイス。
トーマス「違う!俺はスイス人だし戦争にも行っていない。小さな子供が2人いるんだ。家に帰してくれ。頼むよ!」
このトーマスの哀願に最初はマヤに協力していた夫ルイスもトーマスは無実の人違いで、本当は精神を病んだマヤの妄想なのでは?と愛妻を疑い始めます。
ここからトーマスの妻(エイミー・サイメッツ)に接近したマヤが妻の意外な過去を知る事で映画はジワジワと驚愕のクライマックスへと向かっていきます。果たしてトーマスは本当に忌まわしいナチス軍人なのか?それとも全てはマヤの妄想なのか?そして悲劇の夜に一体そこで何が起きたのか?それら全ての謎がラストで明らかとなります・・!
確かにこの手のナチスの迫害とそれにより人生を狂わされた主人公の苦しみと復讐を描いた作品はこれまでも数多く作られて来ました。本作「マヤの秘密」もそれらと同種の作品展開ではあります。ただこの「マヤの秘密」はそこに愛する妻の過去の悪夢に戸惑い混乱しながらも何とかマヤを救おうと奔走する夫ルイス、という新たなテイストが加えられている点が興味深かったし、それがこの作品の核心部分でもあります。
この「マヤの秘密」は来年2022年末2月18日から新宿武蔵野館、池袋シネマロサなどでロードショー公開との事です。