この『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)の精武館内の階段で咆哮する陳眞の左胸に鈴木寛に斬られた刀傷がないのは可怪しいと書いてるのを見かけましたが、このスチールはこれで正しいんです。
何故ならこのスチールは『〜怒りの鉄拳』本編のスチールではなく、1972年の香港公開時に『ドラゴン怒りの鉄拳』劇場予告編として撮影された1シーンのスチールだからです。
その『ドラゴン怒りの鉄拳』劇場予告編では、精武館の階段を駆け下りて来た陳眞と、そこで精武館門徒たちを蹴散らしているロシア人格闘家ペドロフ(ボブ・ベイカー)が一瞬睨み合い、陳眞が怒りの怪鳥音と共にペドロフに突進するとペドロフも同じく突進!
2人が画面中央で肩と肩を激しくぶつけ合うと、そこに「李小龍主演『精武門』いよいよ登場!」のテロップが入る、という大興奮の予告編なんですね。
実際生前のボブ・ベイカーは香港滞在時に香港の劇場でこの予告編を観た、と語っています。
残念ながらこの『ドラゴン怒りの鉄拳』劇場予告編は現在そのフィルムの行方が不明となっていますが、何とか現存していて欲しい!と強く願います。
Awesome pic from Fist of Fury missing theatrical trailer.