昨日はエヴァン・グローデル監督&主演作品『ベルフラワー』(11)を試写で観て来ました。あの『マッドマックス2』とその映画で強烈な印象を残した悪役ヒューマンガスを崇拝する2人の男性が、火炎放射器を製造する(ってオイオイ?)日々の中で出会った女性に激しく傷つけられ、また裏切られた時・・・彼らが最後の最後にとった行動とは!?これがこれまでには見られなかったユニークかつ斬新な青春映画でクライマックスの異様な高揚感も含めて約2時間の上映時間がアッという間でした。
何かまた『マッドマックス2』が観たくなって来たなぁ(苦笑)。この『ベルフラワー』は来月16日から「シアターN渋谷」などで“爆風ロードショー”との事ですので是非!
こちらがその『ベルフラワー』の公式サイトです→http://bellflower-jp.com/
さて、今回はハードな邵氏片信者がその題名を聞けば「おおっ!?」と腰を浮かす事必至の日本人監督山内鐵也(一部の資料では土居通芳と聯合導演)が邵氏兄弟公司に招かれて撮った特撮怪獣映画『梅山收七怪』(73)の本邦初のレビューでいきたいと思います!
以前から触れてはいますが、天映娯楽社から遂に未リリースに終わった数々の邵氏片群の中でも、本作『梅山收七怪』こそが私も含めた世界中の邵氏片コレクターたちが「これが観たい!」とリリースを熱望していた作品でした。
私が今回レビューに使用したソフトは超高画質&英語字幕付きDVDなんですが、オープニングで栄光の“SBエンブレム”に続いて、ドドーン!と『梅山收七怪』の題名が画面に浮かび上がった時は、私も思わず「ああ・・・とうとうこの伝説の邵氏怪獣映画が観られる日が来たのか!」と感激に震えてしまいました(シミジミ・・・)。
で、この『梅山收七怪』は道教で崇められている少年神の哪吒(または哪吒太子、哪吒三太子の物語で有名)の活躍を描いていて、恐らく哪吒と聞けば当ブログをご覧の殆どの方が同じ邵氏片で張徹導演作品にして、傅聲演じる哪吒青年が活躍する『哪吒』(74)を思い浮かべるかと思います。
しかしこの『梅山收七怪』では、子役の游龍演じる少年哪吒が女神の誕生日に献上するはずだった8個の桃の内の7個(1個は哪吒が自分で食べちゃった♪)を自分の過ちで天空界から地上界に落としてしまい、その桃を食べた馬、猿、蛙、狐、龍などの7人の妖魔(に扮するは今は亡き陳鴻烈や金霏といった人間の姿のままでも十分に怪しい影星たち)が人間に害を及ぼす事を防ぐために哪吒が2人の兄と共に地上界にやって来る、という展開なんですね。
因みにこの『梅山收七怪』では山内監督と共に撮影を八木政雄、美術を三上陸男ら日本人スタッフが担当(武術指導は巫敏雄) していて、劇中では哪吒と陳鴻烈の大空中戦や巨大龍に変化した妖魔が哪吒に火を吐きかける迫力の決戦シーンなどで当時の日本映画が誇る素晴らしい特撮テクニックが存分に披露されています。
ただいくらこの『梅山收七怪』が幻の邵氏怪獣映画だと言っても、結局は怪獣や妖術を前面に打ち出した作品なので、作品の完成度ではそれほど目を見張る出来ではありませんし、井莉や韋弘と言った当時の邵氏公司の人気影星も顔を見せてはいますが、個人的には1本の武打片としては余り高い評価は出来ませんでした。
思えば山内鐵也監督と言えば、私が子供の時に観て大興奮した東映の忍術怪獣映画で、松方弘樹演じる自雷也と大友柳太朗演じる大蛇丸が秘術の限りを尽くして闘う『怪竜大決戦』(66)を撮った人ですし、出来る事なら生前の山内監督にはこの『梅山收七怪』が撮影から公開に至るまで長期に及んだ理由や当時の邵氏公司や台湾映画界のお話などを色々お訊きしたかったです。そう言う意味でも2年前に山内監督が亡くなられてしまった事が本当に惜しまれます。
またこの激レア邵氏片『梅山收七怪』に関して、以前に日本の研究者の方で殆ど唯一触れていらっしゃったのが「まぜるなきけん」の管理人であるせんきちさんでした。
その山内監督が1969年に台湾の東影有限公司に招かれて古装片の特撮映画『封神榜』を撮っているなどの貴重な情報も含めて、本当に良く調べていらっしゃると感嘆しました。→http://senkichi.blogspot.jp/2009_03_01_archive.html
最後に日本人俳優+中華圏(台湾)映画としては、まだ他にも奇しくも山内鉄也監督作品『仮面の忍者赤影』の青影こと金子吉延が主演した“桃太郎系列”映画も手元にありますので、こちらも機会を見て是非レビューしてみたいと思います。
何かまた『マッドマックス2』が観たくなって来たなぁ(苦笑)。この『ベルフラワー』は来月16日から「シアターN渋谷」などで“爆風ロードショー”との事ですので是非!
こちらがその『ベルフラワー』の公式サイトです→http://bellflower-jp.com/
さて、今回はハードな邵氏片信者がその題名を聞けば「おおっ!?」と腰を浮かす事必至の日本人監督山内鐵也(一部の資料では土居通芳と聯合導演)が邵氏兄弟公司に招かれて撮った特撮怪獣映画『梅山收七怪』(73)の本邦初のレビューでいきたいと思います!
以前から触れてはいますが、天映娯楽社から遂に未リリースに終わった数々の邵氏片群の中でも、本作『梅山收七怪』こそが私も含めた世界中の邵氏片コレクターたちが「これが観たい!」とリリースを熱望していた作品でした。
私が今回レビューに使用したソフトは超高画質&英語字幕付きDVDなんですが、オープニングで栄光の“SBエンブレム”に続いて、ドドーン!と『梅山收七怪』の題名が画面に浮かび上がった時は、私も思わず「ああ・・・とうとうこの伝説の邵氏怪獣映画が観られる日が来たのか!」と感激に震えてしまいました(シミジミ・・・)。
で、この『梅山收七怪』は道教で崇められている少年神の哪吒(または哪吒太子、哪吒三太子の物語で有名)の活躍を描いていて、恐らく哪吒と聞けば当ブログをご覧の殆どの方が同じ邵氏片で張徹導演作品にして、傅聲演じる哪吒青年が活躍する『哪吒』(74)を思い浮かべるかと思います。
しかしこの『梅山收七怪』では、子役の游龍演じる少年哪吒が女神の誕生日に献上するはずだった8個の桃の内の7個(1個は哪吒が自分で食べちゃった♪)を自分の過ちで天空界から地上界に落としてしまい、その桃を食べた馬、猿、蛙、狐、龍などの7人の妖魔(に扮するは今は亡き陳鴻烈や金霏といった人間の姿のままでも十分に怪しい影星たち)が人間に害を及ぼす事を防ぐために哪吒が2人の兄と共に地上界にやって来る、という展開なんですね。
因みにこの『梅山收七怪』では山内監督と共に撮影を八木政雄、美術を三上陸男ら日本人スタッフが担当(武術指導は巫敏雄) していて、劇中では哪吒と陳鴻烈の大空中戦や巨大龍に変化した妖魔が哪吒に火を吐きかける迫力の決戦シーンなどで当時の日本映画が誇る素晴らしい特撮テクニックが存分に披露されています。
ただいくらこの『梅山收七怪』が幻の邵氏怪獣映画だと言っても、結局は怪獣や妖術を前面に打ち出した作品なので、作品の完成度ではそれほど目を見張る出来ではありませんし、井莉や韋弘と言った当時の邵氏公司の人気影星も顔を見せてはいますが、個人的には1本の武打片としては余り高い評価は出来ませんでした。
思えば山内鐵也監督と言えば、私が子供の時に観て大興奮した東映の忍術怪獣映画で、松方弘樹演じる自雷也と大友柳太朗演じる大蛇丸が秘術の限りを尽くして闘う『怪竜大決戦』(66)を撮った人ですし、出来る事なら生前の山内監督にはこの『梅山收七怪』が撮影から公開に至るまで長期に及んだ理由や当時の邵氏公司や台湾映画界のお話などを色々お訊きしたかったです。そう言う意味でも2年前に山内監督が亡くなられてしまった事が本当に惜しまれます。
またこの激レア邵氏片『梅山收七怪』に関して、以前に日本の研究者の方で殆ど唯一触れていらっしゃったのが「まぜるなきけん」の管理人であるせんきちさんでした。
その山内監督が1969年に台湾の東影有限公司に招かれて古装片の特撮映画『封神榜』を撮っているなどの貴重な情報も含めて、本当に良く調べていらっしゃると感嘆しました。→http://senkichi.blogspot.jp/2009_03_01_archive.html
最後に日本人俳優+中華圏(台湾)映画としては、まだ他にも奇しくも山内鉄也監督作品『仮面の忍者赤影』の青影こと金子吉延が主演した“桃太郎系列”映画も手元にありますので、こちらも機会を見て是非レビューしてみたいと思います。