Quantcast
Channel: 超級龍熱
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1862

龍熱の昭和プロレス放談56 猪木vsパワーズ!興奮のNWFヘビー級選手権前哨戦!

$
0
0

“燃える闘魂”アントニオ猪木のプロレス人生を象徴するタイトル、それがNWF世界ヘビー級王座でした。
このNWF世界ヘビー級王座は、猪木が宿命のライバルと目標にしたジャイアント馬場に当時世界の最高権威と言われたNWA世界ヘビー級タイトルマッチを独占されていた事に対抗するため、事実上はアメリカは五大湖地区でしか通用しない“世界王者”だったジョニー・パワーズが保持していたベルトに猪木が目を付けた事で初めて日本でも知られるようになったタイトルでした。
そんな猪木が「要は俺がNWF王者になってからの防衛戦の試合内容で勝負だ。そうすればタイトルへの評価は後から付いてくるさ!」と敢然とパワーズに挑戦し、1対1から必殺の卍固めでパワーズを下し、見事NWF世界王者となります。
しかし自分の看板タイトル(パワーズはNWFの団体創立者の1人でもありました)を猪木に奪われたパワーズは、その“死神”の異名に相応しく、その後も幾度となく猪木のNWF王座に挑戦し執拗に王座奪回を狙う事となります。
このジョニー・パワーズの必殺技が「俺の8の字固めはデストロイヤーの足4の字固めの倍の威力があるぜ!」と豪語する変形の足4の字固め、通称パワーズ・ロックでした。そのためパワーズと猪木の試合では、猪木がこのパワーズの8の字固めから逃れながら如何に勝つかが毎回試合の焦点となっていたほどでした。

私が猪木とパワーズの幾度にも渡る抗争で、今も強烈な印象が残っているのがいよいよ来週に蔵前国技館でのNWF戦を控える中でのTVマッチで、猪木がビクター・リベラに勝利した直後、突如パワーズが私服姿でリングに乱入!目の前の猪木に向かって「イノキ、ユーのオクトパス・ホールド(卍固め)はミーには決まらないぞ!何ならここでミーにオクトパスをかけてみろ!カモーン!」と挑発!そのパワーズの挑発にアッサリと乗った猪木が「ようっしゃ!かけてやらぁ!」とパワーズに卍固めをかけようと接近した瞬間!高笑いと共に猪木の足を取ったパワーズが一気にパワーズ・ロック!思わぬ奇襲にリング上で激痛に苦しむ猪木!それを「アアァ~ッハハハ!」と高笑いしながら見つめ、さらに8の字で締め上げるパワーズ!
このリング上の光景をTVカメラが淡々と映しながら実況の舟橋アナウンサーの「これは来週のNWF世界戦が楽しみになって来ましたね!それでは、皆さん、さようなら!」との実にアッケラカンとした放送の終わり方に何か釈然としない思いの残った龍熱少年がいたわけです(^_^;)。
結局パワーズは2度とNWF王者に返り咲く事は無く、その後は猪木のライバルの座をタイガー・ジェット・シンとスタン・ハンセンに奪われ、さらには坂口征二にも残った虎の子のNWF北米ヘビー級王座も奪われ、そのまま徐々に新日マットからフェードアウト。晩年は国際プロレスでラッシャー木村のIWA王座に挑戦するなどで奮闘していた寂しい姿が記憶に残っています。

それでもジョニー・パワーズは私たち日本人に馬場さんのPWFヘビー王座と並ぶほどの愛着と思い入れを残す事となるNWFヘビー級王座をアントニオ猪木に齎したレスラーとして、強い印象を残した昭和を代表する外人レスラーだったのです。

Antonio Inoki vs Johnny Powers.NWF title match in Tokyo Japan.


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1862

Trending Articles