さて、今週は都内某所で中村貴一朗監督、坂ノ上茜&青木柚主演『神回』(23)を試写で観てきました。
17歳の夏休み。文化祭の実行委員になった樹(青木柚)と恵那(坂ノ上茜)。やがて樹は自分と恵那がタイムループを繰り返している事に気付く。なぜ自分たちはタイムループを繰り返すのか?何のために?
私は最初主人公樹を演じる青木柚の地味で暗いルックスが今一つ、いやかなり冴えないな、と感じたのですが、実はそこにはちゃんと理由がある事が映画が進むにつれ分かって来ます。その内向的な樹とは対照的に明るく美しい恵那。
この余りに対局にいるような2人が何度も何度もタイムループを繰り返し、遂には精神的に追い詰められた樹が驚きの行動を起こす事で、私たちは樹が恵那に対してズッと秘めていた想いこそ全ての始まりであった事を知ります。
映画はそこから現在の樹と恵那、過去の樹と恵那が余りに切なく、それでいて一途な“時間の旅”を繰り返す姿を物悲しく、そして感動的に描いていきます。私はヒロインの恵那を爽やかに演じた坂ノ上茜が特に印象に残りました。
人が誰でも経験し大切な思い出として胸に秘める初恋をSF映画のテイストを盛り込み感動的に描いた映画『神回』。7月21日からロードショー公開との事です。