ちょっと前に海外の友人からボビー・キムこと巴比金主演の韓国クンフー映画『四代獨子』(77)の英語バージョンが送られて来たので早速鑑賞♪
確かこの『四代獨子』は以前に当ブログの「熱風!韓国LEGENDS」第23回で最も入手が困難と言われる台湾バージョンでレビューしたかと思いますが、今回この『四代獨子』の英語バージョン、それもオープニング・クレジットを観ていて、これまで誰も触れていない実に興味深い箇所を発見しました。それが巴比金の英語名の表記が通常の「Bobby Kim」ではなく「Bobby Bonson」となっている事で、これこそ“韓国のブロンソン”として知られる巴比金の英語芸名が複数存在していた事を証明する貴重な映像資料でしょう。この『四代獨子』の英語バージョンは今では激レア・アイテムである台湾バージョンに比べれば入手もかなり容易なので、韓国クンフー映画ファンの方は是非チェックしてみて下さいね。
さてさて、先日の告知通りに今回の天映娯楽社未発売邵氏片レビューは、あの“南洋邪術片”系列作品で知られた桂治洪導演、戴良純主演によるサスペンス・ホラー映画『邪咒』(82)でいきましょう。
それにしても今回この『邪咒』を高画質&英語字幕付きDVDで初めてジックリと観てみて・・・私自身改めて桂治洪という映画人のブッ飛んだ作品世界には文字通り圧倒されてしまいましたねえ(唖然)。ちなみに本作では脚本を魯俊谷(共同)、武術指導を袁祥仁が担当しています。
映画は30年前に13人もの人間が惨殺されたという忌まわしい過去を持つ一族(戴良純、李麗麗、劉雅麗、尤翠玲、艾飛、梁天、陳家奇などなど)に降りかかる“鉄の歯を持った蛙”の呪いによる戦慄の連続殺人事件を描いているんですが、映画の序盤から女中が原因不明の発火で背中を大火傷しそうになったり、使用人頭(王清河)の顔に血だらけの鳥の死骸が落ちて来たりと・・・もう不気味ムード満点であります(苦笑)。
ところが映画の中盤で龍熱が密かに本作での活躍を期待していた長女の李麗麗が突如(本当に突如!)現れた2本の角とネバネバの体を持つ芋虫のような怪獣(って一体どんな怪獣だい!?)に強姦された上に殺害されるという完全に“観客置いてきぼり”の展開となり(苦笑)、映画はここから一気に桂治洪得意の“狂気と殺戮”という名の異常世界に突入していきます!あとですね、ちょっとしつこいんですが、怪獣に強姦された果てにグチャグチャ状態の全裸(勿論本人ではなくダブル起用)で無残にも惨殺されてしまった李麗麗・・役柄とはいえ余りにも哀れだったなぁ(涙)。
で、このネバネバ怪獣はその後も家の中庭にある池から突如飛び出て来て通りかかった老女を溺死させたり、台所に入って来た女中をまたも強姦した後に殺害したりと何故か女性ばかり襲撃&殺害するという淫乱振りなんですが(苦笑)、中盤になると屋敷の中にその淫乱怪獣の着ぐるみが「ポーン!」と放置してあるという意味不明のシーンが出て来る事で、この淫乱怪獣が実は怪獣の着ぐるみの中に人間が入って殺人を繰り返している事実がアッサリと明かされてしまいます(ってオイオイオイ?)。
その後もこの連続殺人事件は、事件捜査のため屋敷を訪れた警部(演じるは特別介紹の白彪!)の目の前で一族の長である祖母が屋敷内に設置されたエレベーターから(何者かが床に細工をしたため)危うく転落死しそうになったり、艾飛が首を「ズパッ」と切り落とされて惨殺されたりと衝撃の惨劇が続くんですが、映画の最後の最後ではいよいよその恐るべき連続殺人鬼の正体(ついでにネバネバ怪獣の正体も)が明らかになる時がやって来ます!
まあ龍熱的には連続殺人鬼の正体は「なるほどぉ!」って感じでしたが、ネバネバ怪獣の正体に関しては「そんなチョイ役で出てた顔なんか覚えてないだろ!」と思い切り突っ込みたくなりましたね(爆笑)。
“香港の石井輝男”などという安易な呼び名が相応しいかは別として、邵氏公司時代の桂治洪導演と言えば女囚物『女集中營』(73)、犯罪サスペンスの秀作『血証』(73)や『香港奇案』(76〜77。聯合導演)系列。バイオレンス映画の快作『無法無天飛車黨』(76)。他にも『邪』(80〜82)系列は勿論、香港武侠片史に光り輝く大傑作『萬人斬』(80)。そして言わずと知れた桂導演の代表作にして“南洋邪術片”の象徴的作品『魔』(83)などなど本当に多種多様なジャンルの作品を残しました。
言わば桂導演はその映画人生において、香港映画の“ダークサイド・ワールド”に徹底して拘った作品を撮り続けた人でした。
晩年の桂導演はアメリカに移住し1999年に残念ながら肝癌で亡くなりましたが、私の手元には桂治洪導演が邵氏公司で最後に撮った作品で萬梓良主演『走火砲』(84)もありますので、この映画も機会を見て是非レビュー出来ればと思っています。
確かこの『四代獨子』は以前に当ブログの「熱風!韓国LEGENDS」第23回で最も入手が困難と言われる台湾バージョンでレビューしたかと思いますが、今回この『四代獨子』の英語バージョン、それもオープニング・クレジットを観ていて、これまで誰も触れていない実に興味深い箇所を発見しました。それが巴比金の英語名の表記が通常の「Bobby Kim」ではなく「Bobby Bonson」となっている事で、これこそ“韓国のブロンソン”として知られる巴比金の英語芸名が複数存在していた事を証明する貴重な映像資料でしょう。この『四代獨子』の英語バージョンは今では激レア・アイテムである台湾バージョンに比べれば入手もかなり容易なので、韓国クンフー映画ファンの方は是非チェックしてみて下さいね。
さてさて、先日の告知通りに今回の天映娯楽社未発売邵氏片レビューは、あの“南洋邪術片”系列作品で知られた桂治洪導演、戴良純主演によるサスペンス・ホラー映画『邪咒』(82)でいきましょう。
それにしても今回この『邪咒』を高画質&英語字幕付きDVDで初めてジックリと観てみて・・・私自身改めて桂治洪という映画人のブッ飛んだ作品世界には文字通り圧倒されてしまいましたねえ(唖然)。ちなみに本作では脚本を魯俊谷(共同)、武術指導を袁祥仁が担当しています。
映画は30年前に13人もの人間が惨殺されたという忌まわしい過去を持つ一族(戴良純、李麗麗、劉雅麗、尤翠玲、艾飛、梁天、陳家奇などなど)に降りかかる“鉄の歯を持った蛙”の呪いによる戦慄の連続殺人事件を描いているんですが、映画の序盤から女中が原因不明の発火で背中を大火傷しそうになったり、使用人頭(王清河)の顔に血だらけの鳥の死骸が落ちて来たりと・・・もう不気味ムード満点であります(苦笑)。
ところが映画の中盤で龍熱が密かに本作での活躍を期待していた長女の李麗麗が突如(本当に突如!)現れた2本の角とネバネバの体を持つ芋虫のような怪獣(って一体どんな怪獣だい!?)に強姦された上に殺害されるという完全に“観客置いてきぼり”の展開となり(苦笑)、映画はここから一気に桂治洪得意の“狂気と殺戮”という名の異常世界に突入していきます!あとですね、ちょっとしつこいんですが、怪獣に強姦された果てにグチャグチャ状態の全裸(勿論本人ではなくダブル起用)で無残にも惨殺されてしまった李麗麗・・役柄とはいえ余りにも哀れだったなぁ(涙)。
で、このネバネバ怪獣はその後も家の中庭にある池から突如飛び出て来て通りかかった老女を溺死させたり、台所に入って来た女中をまたも強姦した後に殺害したりと何故か女性ばかり襲撃&殺害するという淫乱振りなんですが(苦笑)、中盤になると屋敷の中にその淫乱怪獣の着ぐるみが「ポーン!」と放置してあるという意味不明のシーンが出て来る事で、この淫乱怪獣が実は怪獣の着ぐるみの中に人間が入って殺人を繰り返している事実がアッサリと明かされてしまいます(ってオイオイオイ?)。
その後もこの連続殺人事件は、事件捜査のため屋敷を訪れた警部(演じるは特別介紹の白彪!)の目の前で一族の長である祖母が屋敷内に設置されたエレベーターから(何者かが床に細工をしたため)危うく転落死しそうになったり、艾飛が首を「ズパッ」と切り落とされて惨殺されたりと衝撃の惨劇が続くんですが、映画の最後の最後ではいよいよその恐るべき連続殺人鬼の正体(ついでにネバネバ怪獣の正体も)が明らかになる時がやって来ます!
まあ龍熱的には連続殺人鬼の正体は「なるほどぉ!」って感じでしたが、ネバネバ怪獣の正体に関しては「そんなチョイ役で出てた顔なんか覚えてないだろ!」と思い切り突っ込みたくなりましたね(爆笑)。
“香港の石井輝男”などという安易な呼び名が相応しいかは別として、邵氏公司時代の桂治洪導演と言えば女囚物『女集中營』(73)、犯罪サスペンスの秀作『血証』(73)や『香港奇案』(76〜77。聯合導演)系列。バイオレンス映画の快作『無法無天飛車黨』(76)。他にも『邪』(80〜82)系列は勿論、香港武侠片史に光り輝く大傑作『萬人斬』(80)。そして言わずと知れた桂導演の代表作にして“南洋邪術片”の象徴的作品『魔』(83)などなど本当に多種多様なジャンルの作品を残しました。
言わば桂導演はその映画人生において、香港映画の“ダークサイド・ワールド”に徹底して拘った作品を撮り続けた人でした。
晩年の桂導演はアメリカに移住し1999年に残念ながら肝癌で亡くなりましたが、私の手元には桂治洪導演が邵氏公司で最後に撮った作品で萬梓良主演『走火砲』(84)もありますので、この映画も機会を見て是非レビュー出来ればと思っています。