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Channel: 超級龍熱
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熱風!韓国LEGENDS(59) 美女刑事の執念が悪徳警部を追い詰める!ルヴィーナ主演『女子刑事マリー』

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さて、先日の告知通りに「熱風!韓国LEGENDS」第59回は“韓国女猛龍列伝”第1弾としてイ・アンス導演、ルヴィーナ主演『女子刑事マリー』(75)でいきましょう。
韓国映画で、特にこの『女子刑事マリ』が撮られた70年代の韓国映画において、女性刑事を主人公とした現代アクション映画が製作されるというのは比較的珍しいかと思います。ちなみにこちらが韓国映像資料院の『女子刑事マリー』の詳細データです→http://www.kmdb.or.kr/eng/md_basic.asp?nation=K&p_dataid=02867
そしてこちらが『女子刑事マリー』の現地韓国での貴重な公開当時の広告です!
http://blog.naver.com/PostThumbnailView.nhn?blogId=hcr333&logNo=120136465544&categoryNo=23&parentCategoryNo=

さて、本作『女子刑事マリー』の物語ですが、主人公にして麻薬捜査班の女鬼刑事マリー(ルヴィーナ)が香港(実際に香港でロケーションを行っています。劇中に登場する映画館の館内ではロバート・アルドリッチ監督作『北国の帝王』(73)の看板が!)を舞台に、自分の恋人であり警察の麻薬課の警部(実は麻薬組織のボス!)の冷酷な裏切りに遭いながらも執念で悪徳警部を追い詰め、最後にはマリーが激闘の果てに警部を打ち倒すまでを描いています。
映画は冒頭からいきなり夜の街道で女刑事マリーと麻薬組織の銃撃&カーチェイスで幕を開けるんですが、とにかくこの映画ではマリー刑事の華麗なファッション&私生活が思い切り“70年代ティスト”全開なのにひたすら圧倒されるんですよぉ!(苦笑)。
だってもうマリー刑事は絶えず真っ赤なレザースーツ(!)や粋な帽子姿で街を闊歩するわ、夜のクラブでマイクを手に熱唱(ってルヴィーナ嬢は歌手として実際にレコードも出している方のようです)するわ、さらにはディスコで踊り出すわ・・・っていやはや、もし今の時代にこんな超イケてる女刑事がいたら最高ですねえ(爆笑)。
ただこの『女子刑事マリー』、肝心のアクション面は流石に70年代序盤の韓国映画なので多少地味目ではありますが、それでも映画の随所に幾つものユニークなアクション・シーンが盛り込まれている点に注目です。それらが序盤のマリーとバイク軍団の乱戦、中盤の墓地での鞭使いとの決闘、麻薬班の上司(演じるは鄭昌和導演による邵氏片『六刺客』(71)の悪役が強烈な印象を残したユン・イルボンこと尹一峰!)との風呂場での対決などで何度も披露されるマリーの体当たりアクションです。
そして本作のクライマックスでは、元恋人にして麻薬組織のボスである悪徳警部が待ち構える「香港友愛精神病院(実は麻薬組織のアジト!)」に乗り込んだマリーが病院の地下プールに浮かぶ何体もの死体や、集団でメスを投げつけて来る看護婦軍団(ってその先頭に立つのがあの『女哭聲』(86)の“吸血ババア”ことソク・インスだぞ!相変わらず怖い顔だぜぃ!)などを乗り越え、最後には悪徳警部を病院の屋上に追い詰めると、マリーは警部との一騎打ちに挑みます!
このマリーと悪徳警部の愛と憎しみに満ちた屋上の決闘シーンはやたらに延々と長いんですが(苦笑)、逆に龍熱としてはその激しい女と男の闘いの中に警部の子供を妊娠しているマリーの腹部を蹴り上げ無残にも流産させた極悪男である悪徳警部に対するマリーの“女の怒りと悲しみ”が克明に描き込まれている点に感心すると同時に、映画の最大の見せ場であるマリーvs悪徳警部の決着戦を変に中途半端な乱闘で終わらせずにシッカリと、そしてジックリと(って何故か警部がマリーの片足を階段を利用した関節技で執拗に締め上げるシーンが異様に長いセヨ〜!)描き切ったイ・アンス導演の実力を高く評価したいと思います。
そしてマリーは激闘の末に病院の屋上から真っ逆さまに地面に落下し絶命した警部の亡骸に向かって、さらに屋上から怒りの銃弾を何発も叩き込むのでした!(ってこれはかなり衝撃的なエンディングですね・・・)
それにしてもこの『女子刑事マリー』ですが、何処か日本映画の影響を感じるんですが・・・当時日本でも同じ“マリー刑事物”でこんな映画が韓国版『女子刑事マリー』公開の1年前に公開されていましたっけ→ http://rokudenashi-bunka.blogspot.jp/2009/08/dirty-maria-1974.html

さて、次回の「熱風!韓国LEGENDS」は“韓国女猛龍列伝”第2弾として、あの“邵氏影后”恵英紅主演による80年代台湾動作片の“韓国バージョン”の本邦初レビューを予定しています。と言うわけで、韓国映画のレア映像&新事実を追い求める「熱風!韓国LEGENDS」、次回もどうぞお楽しみに!

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