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Channel: 超級龍熱
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GAME OF DEATH✴UNEDITED番外編 クローズ監督が連発した迷走カット編集に迫る!

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今週は連日の英会話のお仕事やらでバタバタしてまして連載コラム「GAME OF DEATH✴UNEDITED」も更新出来ませんでしたが、今日やっと諸々一息つけましたので、まずはデスゲーム番外編です😉。

ご覧の『死亡遊戯』は5階での李小龍vsカリーム・アブドゥル・ジャバール戦で、李小龍がジャバールの長く強靭な左脚をレッグシザースに捉える場面。
“未知の恐怖”ジャバールの驚異的な脚力を観客に知らしめる実にインパクト満点の攻防です。
ところが、1978年に公開された『ブルース・リー死亡遊戯』(78)で、監督のロバート・クローズはこのシーンをバッサリとカットしてしまいました。
まさに理解不能な編集です。例えばクローズ監督が下階の“虎殿”や“龍殿”で、78版には登場しない田俊や解元が画面に映り込んでいるシーンをカットしたならまだ理解出来ます。
しかし、この李小龍とジャバールのレッグシザースの攻防は、李小龍が汗を滲ませ踏ん張るのに対して、ジャバールはサングラス越しに余裕でニヤリ!と笑うなど、五重塔最強の番人である“未知の恐怖”の無敵感を観客に伝えるには最高の描写なのにクローズ監督はそれをカットしてしまいました。
さらにクローズ監督は李小龍vsジャバール戦の最大のクライマックスである李小龍が五重塔の窓の障子を片っ端から突き破り、そこから射し込んで来た太陽光線にジャバールが突如怯む事で、無敵の“未知の恐怖”の意外な弱点が判明するシーンもカットしています。
つまりクローズ監督は李小龍監督が撮った主人公vsジャバールのドラマチックな場面、またはジャバールの不気味かつ意外性に満ちたキャラクターが丁寧に描かれたシーンを悉くカットしてしまったわけです。
そのクローズ監督の強引な削除作業により、78版『死亡遊戯』のビリー・ローvsハキム戦は、主人公ビリーが正体不明で終始無言の218cmの巨人をやや苦戦しながら倒すだけの淡白なファイトシーンとなってしまいました。やはりこれはクローズ監督の度重なる編集ミスと言わざるを得ないでしょう。
以前にも触れましたが、クローズ監督は李小龍と共に五重塔に挑む田俊と解元の出演シーンを「この2人が映ってるシーンは下らないから要らん!」との理由で78版『死亡遊戯』から殆どカットした人です。

ロバート・クローズ監督が『ブルース・リー死亡遊戯』でこれら強引かつ誤ったカット編集を繰り返した真の理由はクローズ監督が鬼籍に入った今、知るよしもありません。
ただ今の私が言える事は、やはり映画のフィルムはそれを撮影した監督自身が自分で編集するのがベストである、に尽きるでしょう。

Bruce Lee against Kareem Abdul-Jabbar from Game of Death.


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