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Channel: 超級龍熱
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激闘!田宮二郎vs染野行雄!!井上梅次監督作品『撃たれる前に撃て!』

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あの恵英紅の実兄であるオースティン・ワイこと惠天賜が昨日急死したようです。いやビックリしました。
邵氏公司演員時代を経て、数多くの作品に出演して来た惠天賜ですが、龍熱としてはドニー兄貴と共演した『SPL/狼よ静かに死ね』(05)の上司役が印象的でした。まだ55歳、何とも早すぎる死です。合掌。
詳しくはこちらです→ http://news.on.cc/cnt/entertainment/20121004/bkn-20121004194106415-1004_00862_001.html

さてさて、一昨日はまたまたゴソゴソとやっていましたら、デューク真田の『吼えろ鉄拳』(81)や『燃える勇者』(81)のVHSと一緒に松竹作品にして井上梅次監督、田宮二郎主演『撃たれる前に撃て!』(76)のVHSが出て来たので、何気にそのまま最後まで鑑賞。あの日本における“空手映画ブーム”時に“ジャパニーズ・クンフー路線”を狙って公開された『怒れ!毒蛇/目撃者を消せ』(74)の続編であるこの映画、随分前に入手したまま未見だったのでした。
前作に引き続き“コブラ”の異名を持つ凄腕刑事の小村諒太郎(田宮二郎。ちなみに前作では小村諒平)が政界の黒幕の陰謀や不正融資を追う中で様々な事件に巻き込まれるも、それらの危機を小村が得意の空手アクションで切り抜けていく!という展開です。
その共演女優陣も山本陽子、田口久美(東京エマニエル!)、松坂慶子、そしてジャネット八田(田淵幸一夫人)とかなりの豪華キャストで、中でも前作で小村を愛しながらも最後には小村と対決し射殺された中国人女殺手の李萍(演じたのは香港から参加の邵氏女優である汪萍!今回もモノクロ回想シーンの形で登場!) の妹にして、これまた女スナイパー李珮に扮したジャネット八田は劇中でもそれは美しいヌードも披露していて強烈な印象を残しています。
あと当時は仮面ライダーXこと神敬介として私たちチビッ子に知られていた速水亮やコロンボ警部の声で知られる小池朝雄も顔を見せている点に注目でしょう。
しかし何と言ってもこの『撃たれる前に撃て!』最大の注目は、映画の序盤で夜の闇を切り裂き突如小村を襲撃する黒装束の刺客2人!!その2人こそ台湾から小村抹殺を命じられて日本に姿を見せた江龍(染野行雄!)と江玲(日高ゆり)の中国人殺し屋兄妹なのだ!劇中の江龍こと染野さん(今回は口髭を蓄えて凄みタップリ)は、ちゃんとご自身の声で中国語の台詞を話していますし、映画のクライマックスでは燃え盛る屋敷をバックに江龍は江玲とのコンビで再度小村に闘いを挑みます!ここでの小村vs江龍&江玲の激闘は、江龍の荒々しい正拳突きや電撃の右横蹴りが小村に幾度となく叩き込まれ、また江玲もヌンチャク状の暗器で小村に襲いかかり、まさに小村は絶体絶命のピンチとなります!
しかしその勝利目前の江龍の背中に銃弾を撃ち込み小村を助けたのは、皮肉にも何時しか姉の李萍と同じように小村を愛していた李珮のライフルだったのでした・・・。

思えば2年前に井上梅次監督が亡くなられた際、当ブログで井上監督の追悼記事を書いたところ、ご丁寧に染野さんご自身が同記事にコメントを寄せて下さり、染野さんが井上監督と日本でご一緒した『撃たれる前に撃て!』や『夜霧の訪問者』の貴重な思い出を語って下さっていました。その時の記事がこちらです↓ http://blog.goo.ne.jp/dragonfever1127/e/e9116dea54f929b2a59dcef876ad7311
井上監督と染野さんのお2人が強い信頼関係で結ばれていた事は、この『撃たれる前に撃て!』の劇中で染野さん扮する台湾の殺し屋江龍vs田宮二郎扮する小村との激闘の最中に「イヤアアア!ハアアアア!」と気合十分の空手の決めポーズを何度も決めて見せる染野さんが文字通り最高にカッコ良く、また迫力漲る姿としてスクリーン上に映し出されている事からもそれは明らかでしょう。井上梅次、汪萍、そして染野行雄と、香港映画、いえ邵氏兄弟公司所縁のアジア人が結集して製作された“ジャパニーズ・クンフー映画”にして日本を代表する二枚目俳優であった今は亡き田宮二郎主演による“コブラ系列”、是非とも再評価したい日本アクション映画です。

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