激動の韓国近代史の全て！「キネマ旬報」から「韓国大統領実録」発売！

さて、アジア関連注目の新刊のご紹介です。「キネマ旬報」社から朴永圭著「韓国大統領実録」が発売となりました。当ブログの最長寿セクション「熱風！韓国LEGENDS」でお馴染みの韓国映画の視点から見ても、韓国映画において韓国の大統領は絶えず身近な存在でした。
皆さんはソン・ガンホ主演「大統領の理髪師」(04）はご覧になっていますでしょうか。韓国の歴史上において決して外す事の出来ない人物である故朴正熙大統領をモデルとした大統領とソン・ガンホ演じる大統領専属の理髪師のちょっとスリリングで、それでいて心温まる交流を描いた名作です。
私はこの「大統領の理髪師」を観た際、韓国の国民にとって大統領という存在が如何に大きいかを痛感しました。
この「大統領の理髪師」に限らず韓国映画の長い歴史においては、日本との戦争の爪痕がまだ生々しかった時代に韓国初代大統領となった李承晩を初め、あの「光州５・１８」（07）で知られる金斗換、日本を舞台とした衝撃の拉致事件の当事者金大中を描いた日韓合作映画「ＫＴ」(02）などの数々の作品を挙げるまでもなく、韓国映画と韓国大統領は絶えず密接な関係を形成して来ました。
で、今回新たに発売となった「韓国大統領実録」は、それら韓国の歴代大統領10人の人物像と彼らが在任中に起きた重要事件を徹底的に検証した、まさに画期的な歴史研究書、堂々の496頁なのです！！
個人的には韓国映画の歴史上に重要かつ深い功罪を残した「スクリーン・クオーター制度」と同時期に大統領として活動した朴正熙大統領の章は実に読み応えがありますし、実は朴大統領はプロレスの大ファンで、あの“韓国の猛虎”大木金太郎こと金一の強力なスポンサーとして韓国プロレスの発展に尽力した人でもありました。
これまで私も韓国の歴代大統領を検証した本は何冊か読んで来ましたが、恐らくこの「韓国大統領実録」はその決定版となるでしょう。そう、韓国歴代大統領の足跡を知る事は、同時に韓国映画の新たなる側面と魅力を知る事にもなるのです。
韓国映画ファンに限らず、是非多くの皆さんに手に取って頂きたい1冊です。