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Channel: 超級龍熱
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笑えない戦慄のコメディー!? オリヴァー・マスッチ主演「帰ってきたヒトラー」6月公開。

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さて、今日は都内某所でデヴィッド・ヴァンド監督、オリヴァー・マスッチ主演のドイツ映画「帰ってきたヒトラー」(15)を試写で観て来ました。
舞台は現在のドイツはベルリン。テレビ局のディレクターを首になった男性サヴァッキ(ファビアン・ブッシュ)の前に表われたナチスの軍服姿の男(オリヴァー・マスッチ)。男は「自分はアドルフ・ヒトラーである!」と声高らかに宣言します。
サヴァッキはこの自称ヒトラーを使った番組を制作し復職しようと「ヒトラーが現代のドイツを闊歩する」なる企画を古巣のテレビ局に持ち込みます。
サヴァッキの天敵上司のゼンゼンブリンク(クリストフ・マリア・ヘルプスト)との権力争いに勝ち、新たにテレビ局の女局長となったベリーニ(カッチャ・リーマン)の御眼鏡に叶ったヒトラーは連日テレビ番組に主演し、それは本物顔負けの演説や巧みな話術で、様々な階級や職業の人々の心を掴んでいきます。
「目的は我が国民の幸せである!」「生き残りを賭けてドイツを浮上させるのだ!」堂々と自信に満ちた態度で演説を続けるヒトラーの姿に最初はモノマネ芸人のジョークだと思っていた民衆も、次第にヒトラーの雄姿に魅了されていくのでした。
そんなある日、サヴァッキがヒトラーをユダヤ人の彼女の家に連れて行くと、何時もは無口な痴呆症の祖母がヒトラーを見た瞬間、恐怖に顔を引き攣らせて絶叫します。

祖母「お前はヒトラー!お前が私の家族をガス室に送り込んで殺したのよ!!」
サヴァッキ「お婆ちゃん、違うんだよ。この人は芸人でね・・・」
祖母「私はこの顔も、この声も決して忘れやしない。こいつはヒトラーよ!」

そう、この男こそ1945年4月30日から現代にタイムスリップして来た“本物”のナチス総統ことアドルフ・ヒトラーだったのである!!!
既にドイツ国民の心を把握しつつあったヒトラーはベリーニ局長の協力も得て、自らの野望である“世界制覇”に向け確かな手応えを感じていた・・・!
自身の責任を感じたサヴァッキは自らの手でヒトラーを抹殺しようと銃を手に取り、ヒトラーの許へと向かうのだった!

恐ろしい物語です。あのアドルフ・ヒトラーが現在に甦り、ネットやブラウン管を駆使して民衆を扇動し、容易く民衆の心を掴み、1度は遥か以前に潰えた野望を再び達成しようとする。2012年にドイツで発売された同名小説を原作とした本作ですが、まずこの映画をドイツが制作した事に驚くと同時に、映画自体も大ヒットを達成したとの事です。
映画としてのジャンルはコメディーですし、随所に笑えるシーンも多々あります。
それでも愛犬家の方には目を背けるようなシーンも含めて、これは決してコメディー映画としてではなく、現代社会に2度とヒトラーのような人物を復活させてはならない、との重く真剣な警鐘を打ち鳴らす映画として観るのが正しい見方でしょう。くどいようですが、恐い映画でした。この「帰ってきたヒトラー」は6月から日本公開との事です。

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