さてさて、先日の「カサンドラ・クロス」と共にキングレコードさんから7月13日にピーター・ハイアムズ監督、ジェームズ・ブローリン&エリオット・グールド主演「カプリコン1」(77)がBlu-rayでリリースされます。
ヒューストンにあるNASAでは、今まさに人類初の有人火星飛行船カプリコン1の打ち上げが目前に迫っていました。
ところがブルーベイカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、ウォーカー(OJ・シンプソン)たち3人の宇宙飛行士は宇宙船の発射5分前に密かにコックピットから強引に連れ出され、砂漠の古びた基地に移動させられます。そこで3人を待っていたのが宇宙計画の責任者ケロウェイ(ハル・ホルブルック)で、ケロウェイは戸惑うブルーベイカーたちに恐るべき計画を打ち明けるのでした。
「君たちの生命維持装置が故障して有人ロケットの打ち上げが出来なくなった。
だが政治的な理由で打ち上げは中止出来ない。既にロケットは無人で打ち上げられている。そこで君たちにはこの基地内に設置した火星のセットで火星有人着陸を演じて貰いたい。それを我々がテレビで中継する。君たちはノーとは言えないぞ。ノーなら君たちの家族の命はない!」
もはや選択の余地がないブルーベイカーたちは栄光に満ちた宇宙飛行士のプライドをズタズタにされながらも、冷たいスタジオ内で虚無的な火星着陸の“演技”をさせられるのでした。
さらにブルーベイカーたちはコックピット内からNASAにいる家族と“虚偽”の宇宙空間での会話まで強いられ、彼らは良心の呵責に苦しみ続けます。
ところがNASAは火星から帰還するはずだったカプリコン1は、宇宙船の保護シールドの故障でコックピット内の宇宙飛行士3人全員の死亡を発表します。
それを知ったブルーベイカーは「俺たちはNASAに殺された。だとしたら俺たちの姿を国民に見られたら奴らは終わりだ。奴らは俺たちを抹殺するつもりだ。殺される前に逃げるしかないぞ。逃げ切ってこの事実を世界に公表するんだ!」
3人の宇宙飛行士は監禁されていた軍の基地から脱走すると、3人それぞれが別々の方向に散ります。それを知ったケロウェイは追っ手を放ち、3人の抹殺を命じるのでした。
その頃、新聞記者のコーフィールド(エリオット・グールド)はカプリコン計画で通信員として勤務する友人が突如失踪した事を知り、独自に調査に乗り出します。
コ―フィールドは調査を進める内に自分の背後に巨大な陰謀を感じ取り、終いには命まで狙われるようになります。
ブルーベイーカー夫人と面会したコーフィールドは、宇宙通信の際にブルーベイカーが夫人に託したメッセージを辿る事で、カプリコン計画の陰に潜む恐るべき陰謀に次第に迫っていきます。
一方、砂漠を徘徊する3人の宇宙飛行士たちも1人、また1人と力尽き追っ手に捕らわれる中、最後に1人残った宇宙飛行士にマシンガンを装備した2台の黒いヘリコプターが迫る!懸命に逃げるカプリコン1最後の生存者!
そこに全ての真相を知り駆けつけるコーフィールド!!果たしてコーフィールドと生き残った宇宙飛行士はこの絶対の危機を乗り切り、カプリコン計画の陰謀を暴く事が出来るのか!?
映画のラストに用意された爽やかにして痛快なエンディングは、今もインデペンデント映画史において語り草となっている屈指の名シーンです。
アメリカの栄光と繁栄の象徴である宇宙計画の闇を描いた本作は、アメリカ自身が宇宙計画に対して虚像と偽善ではなく、真実と正義を貫いてこそ未来があるのだ、とのメッセージを自らに熱く重く問いかけて見せたサスペンス映画の傑作です。
今回のBlu-rayには81年に「日曜洋画劇場」で初放送された際の最も長尺の日本語吹き替え音声も特典収録されています。
それにしても、この「カプリコン1」を観終わって改めて思うのは、あのアポロ11号の月面着陸こそ本当に“現実”だったのか?という何とも恐ろしい結論なのでした。
最後に今回「カサンドラ・クロス」と「カプリコン1」鑑賞の機会を下さったキングレコードのSさんに感謝します。ありがとうございました。
ヒューストンにあるNASAでは、今まさに人類初の有人火星飛行船カプリコン1の打ち上げが目前に迫っていました。
ところがブルーベイカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、ウォーカー(OJ・シンプソン)たち3人の宇宙飛行士は宇宙船の発射5分前に密かにコックピットから強引に連れ出され、砂漠の古びた基地に移動させられます。そこで3人を待っていたのが宇宙計画の責任者ケロウェイ(ハル・ホルブルック)で、ケロウェイは戸惑うブルーベイカーたちに恐るべき計画を打ち明けるのでした。
「君たちの生命維持装置が故障して有人ロケットの打ち上げが出来なくなった。
だが政治的な理由で打ち上げは中止出来ない。既にロケットは無人で打ち上げられている。そこで君たちにはこの基地内に設置した火星のセットで火星有人着陸を演じて貰いたい。それを我々がテレビで中継する。君たちはノーとは言えないぞ。ノーなら君たちの家族の命はない!」
もはや選択の余地がないブルーベイカーたちは栄光に満ちた宇宙飛行士のプライドをズタズタにされながらも、冷たいスタジオ内で虚無的な火星着陸の“演技”をさせられるのでした。
さらにブルーベイカーたちはコックピット内からNASAにいる家族と“虚偽”の宇宙空間での会話まで強いられ、彼らは良心の呵責に苦しみ続けます。
ところがNASAは火星から帰還するはずだったカプリコン1は、宇宙船の保護シールドの故障でコックピット内の宇宙飛行士3人全員の死亡を発表します。
それを知ったブルーベイカーは「俺たちはNASAに殺された。だとしたら俺たちの姿を国民に見られたら奴らは終わりだ。奴らは俺たちを抹殺するつもりだ。殺される前に逃げるしかないぞ。逃げ切ってこの事実を世界に公表するんだ!」
3人の宇宙飛行士は監禁されていた軍の基地から脱走すると、3人それぞれが別々の方向に散ります。それを知ったケロウェイは追っ手を放ち、3人の抹殺を命じるのでした。
その頃、新聞記者のコーフィールド(エリオット・グールド)はカプリコン計画で通信員として勤務する友人が突如失踪した事を知り、独自に調査に乗り出します。
コ―フィールドは調査を進める内に自分の背後に巨大な陰謀を感じ取り、終いには命まで狙われるようになります。
ブルーベイーカー夫人と面会したコーフィールドは、宇宙通信の際にブルーベイカーが夫人に託したメッセージを辿る事で、カプリコン計画の陰に潜む恐るべき陰謀に次第に迫っていきます。
一方、砂漠を徘徊する3人の宇宙飛行士たちも1人、また1人と力尽き追っ手に捕らわれる中、最後に1人残った宇宙飛行士にマシンガンを装備した2台の黒いヘリコプターが迫る!懸命に逃げるカプリコン1最後の生存者!
そこに全ての真相を知り駆けつけるコーフィールド!!果たしてコーフィールドと生き残った宇宙飛行士はこの絶対の危機を乗り切り、カプリコン計画の陰謀を暴く事が出来るのか!?
映画のラストに用意された爽やかにして痛快なエンディングは、今もインデペンデント映画史において語り草となっている屈指の名シーンです。
アメリカの栄光と繁栄の象徴である宇宙計画の闇を描いた本作は、アメリカ自身が宇宙計画に対して虚像と偽善ではなく、真実と正義を貫いてこそ未来があるのだ、とのメッセージを自らに熱く重く問いかけて見せたサスペンス映画の傑作です。
今回のBlu-rayには81年に「日曜洋画劇場」で初放送された際の最も長尺の日本語吹き替え音声も特典収録されています。
それにしても、この「カプリコン1」を観終わって改めて思うのは、あのアポロ11号の月面着陸こそ本当に“現実”だったのか?という何とも恐ろしい結論なのでした。
最後に今回「カサンドラ・クロス」と「カプリコン1」鑑賞の機会を下さったキングレコードのSさんに感謝します。ありがとうございました。