さて、昨日は都内某所でブラディ・コーベット監督、トム・スウィート主演「シークレット・オブ・モンスター」(15)を試写で観て来ました。
この映画を単なる我儘な少年の奇妙な日常とその両親の苦悩を描いた家族映画として見るか。
または後に国の独裁者となる男性の狂気に満ちた少年時代の姿を描いたサスペンス・ミステリー映画として見るか。何とも評価が別れる映画だと思います。
1918年、ヴェルサイユ条約締結を使命にフランスに派遣されたアメリカ政府高官(リアム・カニンガム)とそのドイツ人の妻(ベレ二ス・ベジョ)には、まるで少女のような面影を持つ美少年の息子プレスコット(トム・スウィート)がいました。
一際感受性が強いプレスコットは、自分を理解してくれない両親や周囲に対して意味不明の行動を取り始め、他人に意味なく投石をしたり、家庭教師の女性の胸を触ったり、父親の会議の場に全裸で現れたりと、その奇行は次第にエスカレートしていきます。
やがてただ1人だけ自分に優しくしてくれた家政婦の老婆を母親がクビにした時、その怒りと悲しみは頂点に達し、何かがプレスコットの中で壊れていきます。
そしてヴェルサイユ条約が調印された事を祝い、父親の屋敷で盛大なパーティーが開かれた場で、遂にプレスコットの内面に巣食っていたモンスターが解き放たれます・・・!!
監督のブラディ・コーベットはプレスコット少年の異様な行動を詳細に描く事で、後にヒットラーやムッソリーニを彷彿させる独裁者として君臨するプレスコットを観客に予感させるストーリーに仕上げたのでしょうが、私はプレスコット少年の数々の奇行と、後にプレスコットが独裁者へと変貌するプロセスがどうしても結びつきませんでした。
あとスコット・ウォーカーの奏でる音楽もホラー映画としてなら素晴らしい効果を発揮したと思いますが、この映画には余りにもハード過ぎて、私は聴いていてちょっと辛かったですね。
映画としては決して悪い出来ではないと思いますし、プレスコット役のトム・スウィートも天才的な表現力を披露しています。
ただそれでもこの家族の愛情に飢えていただけの可憐な少年が何故独裁者になるのか?その核心部分が最後まで私たち観客に届く事がなかったのが何とも惜しい、と思いました。
この「シークレット・オブ・モンスター」は、11月にTOHOシネマズシャンテ他にてロードショー公開との事です。
この映画を単なる我儘な少年の奇妙な日常とその両親の苦悩を描いた家族映画として見るか。
または後に国の独裁者となる男性の狂気に満ちた少年時代の姿を描いたサスペンス・ミステリー映画として見るか。何とも評価が別れる映画だと思います。
1918年、ヴェルサイユ条約締結を使命にフランスに派遣されたアメリカ政府高官(リアム・カニンガム)とそのドイツ人の妻(ベレ二ス・ベジョ)には、まるで少女のような面影を持つ美少年の息子プレスコット(トム・スウィート)がいました。
一際感受性が強いプレスコットは、自分を理解してくれない両親や周囲に対して意味不明の行動を取り始め、他人に意味なく投石をしたり、家庭教師の女性の胸を触ったり、父親の会議の場に全裸で現れたりと、その奇行は次第にエスカレートしていきます。
やがてただ1人だけ自分に優しくしてくれた家政婦の老婆を母親がクビにした時、その怒りと悲しみは頂点に達し、何かがプレスコットの中で壊れていきます。
そしてヴェルサイユ条約が調印された事を祝い、父親の屋敷で盛大なパーティーが開かれた場で、遂にプレスコットの内面に巣食っていたモンスターが解き放たれます・・・!!
監督のブラディ・コーベットはプレスコット少年の異様な行動を詳細に描く事で、後にヒットラーやムッソリーニを彷彿させる独裁者として君臨するプレスコットを観客に予感させるストーリーに仕上げたのでしょうが、私はプレスコット少年の数々の奇行と、後にプレスコットが独裁者へと変貌するプロセスがどうしても結びつきませんでした。
あとスコット・ウォーカーの奏でる音楽もホラー映画としてなら素晴らしい効果を発揮したと思いますが、この映画には余りにもハード過ぎて、私は聴いていてちょっと辛かったですね。
映画としては決して悪い出来ではないと思いますし、プレスコット役のトム・スウィートも天才的な表現力を披露しています。
ただそれでもこの家族の愛情に飢えていただけの可憐な少年が何故独裁者になるのか?その核心部分が最後まで私たち観客に届く事がなかったのが何とも惜しい、と思いました。
この「シークレット・オブ・モンスター」は、11月にTOHOシネマズシャンテ他にてロードショー公開との事です。