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Channel: 超級龍熱
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ナチスの恐怖の足音から逃れて。クラウス・レーフレ監督作品「ヒトラーを欺いた黄色い星」来月公開。

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ブログにコメントを頂いたカトーさんの情報ですが、来月7月20日のリーさんの命日からCSの「衛星劇場」で「グリーン・ホーネット」が日本語字幕版で放送開始ですね。
先日に「超級龍熱Facebook」でもこの話題をアップしましたら、沢山の皆さんが放送を喜んでいました。今から放送が楽しみです(^_^)。

さてさて、この映画、実は先週試写で観ていたんですが、レビューをアップするのが遅れてしまいました。クラウス・レーフレ監督作品「ヒットラーを欺いた黄色い星」(17)です。
1943年2月、ナチスのドイツ政権は強制労働のためにベルリンに残された全てのユダヤ人が逮捕され、首都からユダヤ人がいなくなったと宣言します。
しかし実際には約7000人のユダヤ人が潜伏し、最終的には約1500人が戦争と迫害から生き延びたのでした。
この映画はそのうち4人のユダヤ人の物語で、劇中にはまだ存命だった当時の彼ら4人のインタビュー映像がドラマ部分と交互に挿入される、言わばセミドキュメンタリーの形を取っています。
題名にある“黄色い星”ですが、これはナチスがドイツ人とユダヤ人を区別するために、ユダヤ人の服に強制的に縫い付けさせた黄色い星マークを意味しています。
ナチスによるユダヤ人大量虐殺、いわゆるホロコーストを取り上げる映画にはこれまで必ずと言っていいほどユダヤ人収容所の目を覆うような惨劇や残酷な処刑シーンが出て来て、私はこの人類史上稀に見る蛮行、いえ戦争犯罪の事実から目を背けてはいけないと思いながらも・・・どうしてもこのジャンルの映画が苦手でした。
ただこの「~黄色い星」にはそのような残虐シーンは全く登場せず、むしろナチスの魔手から懸命に逃げ延びようとするユダヤ人たちに手を差し伸べた人たちの勇気と善意を中心に描かれている点に感心しました。
彼らユダヤ人たちはこの悪夢のような戦争が1日も早く終わる事を願いながら、ある者は同胞のために身分証を偽造し、ある者は戦争未亡人を装って幸運にも心優しいドイツ国防軍の将校邸にメイドとして雇われ、ある者はヒトラー青少年団の制服を着て身元を偽り反ナチスのビラ作りに協力しながら、必死にその日その日を生き抜こうとします。
そして遂にドイツが連合軍に敗北する日がやって来ます。ベルリン市内にソ連軍が侵攻して来た事に歓喜した彼らユダヤ人たちは諸手を挙げてソ連兵を歓迎します。
ところが、ナチスの「ベルリンからユダヤ人は一掃した」との宣言を信じるソ連兵は、ユダヤ人だと称する目の前の若者たちが実はドイツ人ではないかと疑い、彼らの眼前に銃口を突き付けます!

ソ連兵「お前たちがユダヤ人だと?嘘をつけ!ベルリンにもうユダヤ人はいないんだ!」
ユダヤ人青年「いや今まで必死に隠れていたんだ。僕らはユダヤ人だ!本当だ!」
ソ連兵「よし、ならお前たちがユダヤ人だと、今ここで証明しろ。さあ、いいか?」

ここでソ連兵がユダヤ人青年たちに彼らがユダヤ人である事を証明させるために求めた“ある行為”とは何か?それを聞いたユダヤ人青年たちが戸惑いながらも取った行動とは!?
さらにこのソ連兵は何故目の前のユダヤ人たちの素性をそこまで執拗に問い詰めたのか!?
その場で全てが真実であると証明された時、余りにも悲しく、それでいて観る者の魂が揺さぶられるような熱く、深い感動のエンディングが私たち観客を待っている!!

この「ヒトラーを欺いた黄色い星」は、来月7月28日から「ヒューマントラストシネマ有楽町」他にて、全国順次ロードショー公開となりますので是非。


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