今年も今日という日がやって来ました。そう、今日7月7日は邵氏公司、伝説の武打星アレクサンダー・フーシェンこと傅聲の35回目の命日です。
実は最近何とも残念というか、寂しい気持ちになる事がありました。私を含めた世界中の傅聲ファンが必ずや彼のベスト3に挙げるであろう張徹監督作品「唐人街小子」(77)。
久しぶりにこの映画が観たくなった私は天映娯楽社がDVDリリースしたシンガポール公開(短縮)版こと「ヒーロー・オブ・クンフー猛龍唐人拳」ではなく、昔からコレクターの間で出回っている約2時間のノーカット英語版をDVD化(したと称する)ソフトを某海外サイトで購入しました。
本当なら20年ぐらい前に購入した同英語版のオリジナルVHSを探せば良いのですが、肝心のVHSがどの段ボールに入ったか分からない状態なのと、今回良い機会なので「唐人街~」のノーカット版DVDを購入しておこうと思ったのでした。
ところが楽しみにしているところに届いた「唐人街小子」の英語版DVDを再生すると、何とそれは英語版は英語版でも90分もないカット版バージョンだったんですね・・・。
ちょっと前に某海外メーカーからリマスターされたノーカット2時間英語版DVDがリリースされていたのは知ってはいたんですが、今回購入した英語短縮版DVDのジャケが同作品の香港公開当時の素晴らしいイラスト仕立てのオリジナルポスターを使用していた事もあって、ついそちらを購入してしまった私だったのでした。
いま海外の友人に今度こそ「唐人街小子」のノーカット2時間バージョンを送って貰うよう頼んだところですが、それでも私は敢えて声を大にして言いたいのです。
日本の傅聲ファンの皆さん、いま国内で出ている「~猛龍唐人拳」はその大幅なカット編集も含めて、本当の「唐人街小子」ではありません。殆ど別の映画になっています。
本当の「唐人街小子」のソフト、本当の傅聲主演による傑作青春武打片は2時間ノーカット英語版だけです。
エンディングも全く異なります。それゆえノーカット版を観終わった時の思わず胸が締め付けられるような切ないほどの感動も「~猛龍唐人拳」では味わえません・・・。
私は角川がこの「~猛龍唐人拳」を含めた数本の邵氏公司作品をDVDリリースする際、某映画雑誌の編集者に頼まれて角川との打ち合わせに立ち合いましたが、その席でも角川の担当者2人に上記のノーカット版と短縮版の違いをそれこそ執拗に訴えたのですが・・・。
「唐人街小子」は、私こと龍熱が邵氏兄弟公司作品にハマった直後に観た張翼主演「魔魂鈴」(68)や劉家良監督作品「陸阿采與黄飛鴻」(76)などと共に、私の胸の奥底に忘れられない感動を刻み込んでくれた思い出の作品です。
今日、この七夕の日、きっと皆さんもそれぞれが様々な傅聲主演作品を観て、傅聲の雄姿を偲ばれる事でしょう。
そしてもし出来る事なら、そう、例え数人の方でもいいんです。
どうか是非「唐人街小子」を、それもノーカット英語版でご覧になって頂きたいでのです。
私はこの「唐人街小子」を初めて観た時「ああ、もしかしたら傅聲ってこの映画の主人公と同じような感じの青年だったんじゃないかな・・・」そんな気持ちになったのを覚えています。
そしてその時にコミカルで、時に爽やかで愛くるしい笑顔と俊敏な武打テクニックを併せ持った主人公こそが、誰よりも深く傅聲を溺愛した張徹監督がその監督人生で目指し思い描いた“浪漫英雄”と言う名の理想的青年像だったのかも知れません。
“薄命の貴公子”よ、邵氏公司伝説の武打星よ、今この瞬間も七夕の夜空に美しく光り輝く星となれ!アレクサンダー・フーシェンこと傅聲、その不滅の魂よ、永遠に!!!
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今日は“薄命の貴公子”傅聲の35回目の命日です。
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