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Channel: 超級龍熱
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ママ!“あの男”が来たよ!怖いよ!グザビィエ・ルグラン監督作品「ジュリアン」来年1月公開!!

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さて、今日は都内某所でグザビィエ・ルグラン監督(本作長編デビュー)、トーマス・ジオリア主演「ジュリアン」(17)を試写で観て来ました。

皆さんはご覧の主人公でもあるジュリアンが苦悩に満ちた表情を浮かべる本作のポスターから、この映画がどんな映画だと想像されるでしょうか?幼い少年をメインとした家族愛映画?悩める夫婦が少年のおかげで再び絆を取り戻す夫婦愛映画?いやいやこの「ジュリアン」はそんな軟弱かつ平凡な予想を粉々に打ち砕く、まさに予測不可能な“ファミリーホラー映画”だったのだ!!

映画は1組の夫婦、妻ミリアム(レア・ドリュッケール)と夫アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)が家庭裁判所で自分たちの幼い次男ジュリアン(トーマス・ジオリア)の親権を争っているシーンから始まります。ジュリアンは大柄ながら温厚そうな父親アントワーヌを何故か異様に嫌い、自分の父親を“あの男”と呼ぶのでした。しかしミリアムとジュリアン、そしてジュリアンの姉ジョゼフィーヌ(マティルド・オネヴ)の願いも虚しく、裁判所はアントワーヌに共同親権の権利を与え、そのためジュリアンは隔週ごとにアントワーヌと過ごす事になります。

最初はジュリアンに優しかったアントワーヌですが、自分の母からミリアムやジュリアンが自分も場所を知らない新居に移った事を偶然知った辺りから、アントワーヌはミリアムたちに対する異様な執着と不安定な人格を露わにしていきます。ジュリアンを執拗に問い詰めミリアムたちの新居を突き止めたアントワーヌはそこに乗り込むと、恐怖と驚きで玄関に立ち尽くすミリアムに涙を流して復縁を迫りますが、ミリアムはそれをヤンワリと拒否。ならばとアントワーヌは娘ジョゼフィーヌの誕生日パーティーの会場外に押し掛け「お前、男がいるんだろ!?」とミリアムと押し問答となりミリアムの首を締めよう(!)としますが、そこを危うくミリアムの妹に割って入られ、アントワーヌはその場から車で荒々しく立ち去ります。

もうこの辺りで、私たち観客もミリアムたち家族が何故にアントワーヌを異様に恐れるか、また何故ジュリアンがアントワーヌを“あの男”と呼び嫌味嫌うのか理解し始めていくわけなんですね。

そして映画はミリアムとジュリアンにとって余りにも長く、そして戦慄の夜がやって来ます。この映画のクライマックスの怒涛の恐怖はそこら辺のホラー映画など目じゃないぐらいの衝撃で観る側に迫ります。このラストの戦慄は皆さんが実際に劇場で体感して頂くしかないです。私も思わず息を呑みながらスクリーンを見つめてしまいました。

今も日本だけでなく世界中の人々が苦しむDV問題を、ある意味恐ろしいほど切れ味鋭い変化球を駆使して撮り切って見せたグザビィエ・ルグラン監督、今後も注目の映画人でしょう。この「ジュリアン」は来年1月25日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国順次ロードショー公開との事です!!


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