女性監督の俞鳳至による嘉凌主演作品「地獄から来た女ドラゴン」(72)です。
本作が現地公開された1972年に大量製作された“馬素貞報仇系列”作品の中でもその完成度が抜きん出ている女ドラゴン映画不滅の傑作です。特に映画のクライマックスで約10分間に渡って展開される嘉凌演じる馬素貞の報仇決行シーンは、香港&台湾アクション映画における“女主人公vs無数の荒くれ野朗軍団”の1つの原型となった伝説的なクンフーファイトで、例え本作が驚くほど短期間で撮影された作品でも、例え公開から何十年経った作品でも、その輝きは今も決して色褪せる事はありません。
私はこれまでもこの亡兄である馬永貞の復讐に命を懸ける馬素貞の鮮烈な生き様を描いた「地獄から来た女ドラゴン」を何としてもリメイクして欲しい!と何度も訴えて来たのですが、それこそ章子怡、水野美紀、武田梨奈と馬素貞を演じるに相応しい女ドラゴンたちが何人も現れながら、今だに「新・地獄から来た女ドラゴン」が実現しないままなのが実に残念なんですね。
最後に余談ですが、以前に友人のトビー・ラッセル監督が本作「地獄から来た女ドラゴン」の主演武打星である嘉凌を香港の地下鉄の中で見かけたそうですが、その時の嘉凌は何と周りの座席を見向きもせず、両手で吊り革をグッと握ったまま文字通り仁王立ちでジッと正面を見据えていたそうです。
トビー監督曰く「その時のジュディ・リーはまるで男性みたいに凛々しかったよ!」
そう、まさに嘉凌こそが永遠にして絶対唯一の馬素貞武打星なのだ!!
Judy Lee in Queen Boxer Japanese theatrical poster.No lady kung-Fu film could overcome this great masterpiece !!