Quantcast
Channel: 超級龍熱
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1868

燃えよドラゴン ザ・モニュメンタル② なぜ邦題は『燃えよドラゴン』なのか?

$
0
0

さて『燃えよドラゴン ザ・モニュメンタル』第2回は、今も世界中のアクション映画ファンなら知らない者はいない『ENTER THE DRAGON』こと『燃えよドラゴン』の題名に関する真実を振り返りたいと思います。

まず邦題『燃えよドラゴン』ですが、当初は『要塞島の3人』、あるいは『ドラゴンの星』なる邦題が候補に挙がっていましたが、配給側が司馬遼太郎の著作で幕末の動乱を雄々しく生き抜いた新選組副長土方歳三の生涯を描いた小説「燃えよ剣」から“燃えよ”を戴く形で『燃えよドラゴン』に決まりました。

思えば、李小龍の5本の主演クンフー映画の殆どが007シリーズから拝借した『ドラゴン危機一発』(71)を除けば英語原題からの直訳邦題でした。しかしこの『燃えよドラゴン』だけは日本配給サイドによるオリジナルの邦題であり、その素晴らしいネーミングセンスによって、今もこの邦題『燃えよドラゴン』は私たち全ての李小龍信者に深く愛され続ける、まさに映画邦題の大傑作となりました。

そして『燃えよドラゴン』の英題『ENTER THE DRAGON』。脚本段階では『BLOOD AND STEEL』だった題名がワーナーブラザースにより『HAN'S ISLAND』にほぼ決まりかけましたが、それに強く反対したのが李小龍でした。李小龍はワーナーの社長テッド・アシュリーに対して「この映画の題名は『ENTER THE DRAGON』でなければならない!」と猛然と訴えました。実は『ENTER THE DRAGON』は李小龍が『ドラゴンへの道』(72)で1度はシナリオに書き記しながらも敢えて温存していた、言わば“勝負タイトル”でした。

李小龍とアシュリー社長は香港とアメリカの幾度にも渡るテレグラムの応酬の末に、とうとう根負けしたアシュリーが最後は「分かった。君がそこまで言うなら『ENTER THE DRAGON』でいこう」と決着を見たのでした。後に李小龍は本作で李振強の怨敵オハラを演じたボブ・ウォールにこう語ったと言われています。

李小龍「ボブ、この映画の題名は『ENTER THE DRAGON』でなければならないんだ。君は私の中国語芸名を知っているね。そう、李小龍だ。この芸名には“龍”、DRAGONの一文字が入っている。だからこの映画の題名も絶対に『ENTER THE DRAGON』でなければならない。何故なら私はドラゴンだからだ!」

そう、この『ENTER THE DRAGON』には1度はハリウッドの厚い壁に弾き返され香港への後退を余儀なくされた猛龍が生涯の目標としたハリウッド帰還、いや世界の映画マーケットに再び飛び立たんとする、文字通りドラゴン登場!の熱き魂の雄叫びが込められているのだ。だからこそ私こと龍熱も今回の「龍熱トークライブ2023」のキャッチコピーをこう叫び続ける!我が名は李小龍!ENTER THE DRAGON!!ドラゴン登場!!

 

「龍熱トークライブ2023 」チケットお申込みはこちらです!→https://www.toudoukan.com/ryuunetsu2023

*今回『燃えよドラゴン』邦題に関する貴重な情報を竹崎素充さんから頂きました。ありがとうございました。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1868