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龍熱の昭和プロレス放談75 NWA世界王者リック・フレアー幻の王座転落の真実!

リック・フレアー。言わずと知れたNWA世界ヘビー級王座などの世界王者に16回も君臨したレジェンドレスラーですね。
でもフレアーは昔は日本では「何時も綱渡り防衛ばかりで全然強さが感じられない2流の世界チャンピオンじゃないか」と言われて、ドリー・ファンクJrやハーリー・レイスなど歴代のNWA世界王者たちほど高い評価を得られない人でした。
でも実際はその“綱渡り防衛”こそがフレアーの卓越した王者哲学で、それこそ地元の英雄的レスラー(日本ではジャンボ鶴田や天龍)に滅多滅多にやられて「ああ、もうちょっとで俺たちの英雄がフレアーに勝てたのに!」と思わせて最後はチャッカリとフレアーが王座を守り通してる、これが世界を又にかけて闘うNWA王者に求められた理想像でもありました。
しかし、そのフレアー得意の“綱渡り防衛”戦術がちょっとエスカレートし過ぎて、会場の観客が暴動寸前までエキサイトしてしまう激ヤバいケースもあったりします。
それがオーストラリアに遠征したフレアーが地元の英雄マーク・ルーインの挑戦を受けたNWA世界ヘビー級タイトルマッチでした。このルーイン“幻のNWA王座奪取劇”として知られる問題試合、最近やっと試合映像を見る事が出来たのですが、いや~噂通り大荒れの試合でした。(映像を発見してくれた友人に感謝♪)
正確な試合の日時は不明ながら、フレアーが持参したNWAベルトがまだ後期の大型の黄金ベルトではなく、レイスタイプのベルトなので、恐らくは80年代の事件だと思います。
オーストラリアにおけるプロレスはラウンド制らしく、まず終始ルーインに押され気味のフレアーが何ラウンド目かでルーイン得意のスリーパーホールドでアッサリと1度締め落とされるハプニング!
私はここで思わず「げえ?これってベルト移動じゃないの!?」と愕然としたんですが、どうもフレアーが失神したのがラウンド終了直前だったようで、まずここでフレアーは最初の命拾いをします。
ルーインが失神したフレアーの背中を叩いて喝を入れるお約束のデモで試合が再開。そして激しい闘いで自慢の金髪を鮮血に染めたフレアーをルーインがトップロープ越し(ここ注目!)に場外に投げ落とします!
フラフラでリングに戻ったフレアーにルーインのブレーンバスターが炸裂!そのままレフェリーがカウント3!!新NWA世界王者マーク・ルーイン誕生に会場は大興奮状態!!!
でもどうもレフェリーや関係者の様子が変だぞ?あれ?レフェリーが負けてフラフラ状態のフレアーにベルトを渡した!?一体何故?
要するにルーインがフレアーをフォールする前に、ルーインの「オーバー・ザ・トップロープ」の反則があったのでベルト移動は無効との裁定で、最終裁定はフレアーの王座防衛(!)となったようです。
騒然となる観客の後押しを受けたルーインはフレアーを殴り倒すとベルトを強奪して控え室に逃走!!
それをリング上で呆然と見つめるフレアーは「何だ!?勝ったのは俺だ!あの野郎からベルトを取り返して来い!早くしろぉぉぉ!」と錯乱状態で吼えまくりますが、内心では「よしよし、客が熱くなってるな?こんなオーストラリアみたいな僻地なら俺がこんな形で負けても後でどうにでもなるのさ。勿論ベルトはちゃんとルーインが後で俺にコッソリ戻してくれるしな!」と会心の笑みを浮かべていた事でしょう。

リック・フレアーは他にも82年頃にドミニカ共和国でのジャック・ベネノとの防衛戦で、観客が試合中に異様にエキサイトしたため、身の危険を感じたフレアーが敢えてベネノに負けてタイトルを失った形で試合を無事に終わらせ、後で密かにベルトを返却して貰いアメリカに帰国、という“不穏防衛事件”も起こしているようです。
さらに83年1月にはプエルトリコで“プエルトリコの猪木”と呼ばれるカルロス・コロンとの防衛戦で、コロンに完全フォール負けし再び王座転落(後に王座奪還)しているようです。
このプエルトリコの対カルロス・コロン戦も試合映像が入手出来ましたら、またご紹介したいと思っています。

Nature boy Ric Flair.16 times world heavy weight champion.But sometimes Flair lost his world title on purpose such as against Mark Lewin in Australia or Carlos Colon in Puerto Rico.
After pretended to lost his world title,Slick Ric hold the world champion belt back secretly and returned to states as NWA world champion.


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