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Channel: 超級龍熱
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“六合八法拳士”vs“鉄血銀狐”!!金童&黄正利主演『龍形摩橋』

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さて、最近またまたゴソゴソとやっていたら色々と出て来たんですが、そんな中で久々に観てみたくなった事もあり思遠影業公司作品にして呉思遠導演、クリフ・ロクこと金童&黄正利主演『龍形摩橋』(80)を観てみました。
この映画昔に1度観ただけだった事と、今回私がレビューに使用した台湾のメーカー「新船」製のオリジナルVHSが北京語版&無字幕だったために物語の把握が難しかったんですが、要するに清の時代を舞台に朝廷の提督(林蛟)の隠し子だった主人公(金童)が自分の父親に会うために町にやって来ますが、林蛟は自分が提督である事から金童の父親である事を名乗らず、代わりに自分の部下である吳家驤が金童の父親であると金童を言い包め、金童はそのまま吳家驤の家に居候する事となります。
さらには金童は馬鹿息子の蔣金や蔣金の武術師範である權永文&張華、そして高官の石天に毎日のように苛められる日々が続きます。
で、金童は以前に無銭飲食しようとしていた老人(石堅)を助けたのですが、ある日偶然にその老人と再会を果たします。ところが老人とその夫人(林瑛)こそ類い稀なる武術の達人で、その日から金童は老夫婦との厳しい特訓の果てに無敵の武術“龍形摩橋”を習得するのでした!
この石堅&林瑛夫婦と金童の特訓シーンでは本作の勇壮なテーマ曲が流れる中、金童がそれは見事な練武を披露するのですが、この金童のオーソドックスかつ重々しい連続の拳技からは、金童自身がまさに真正の武術家である事を画面からもハッキリと確認する事が出来ます。
こうして逞しい武術家へと成長を遂げた金童は、自分に冷たかった提督や馬鹿息子たちを見返すために敢えて丁髷&和服という日本人侍のコスプレ(涙)姿で、ロイ・ホランら欧米列強&日本が企画した武術対抗戦に出場する事を決意します。
このクライマックスの武術対抗戦は宮殿の前に高々と足場を組んだ決戦場、それこそ“死のリング”で延々と展開されるんですが、ここでやっとロイ・ホラン陣営が用意した最強の刺客として“鉄血銀狐”こと黄正利が画面に登場します(拍手!)。
この武術対抗戦では、いきなり黄正利vs權永文という“韓国スーパーキッカー”同士の顔合わせが実現するのですが、黄師匠に気合い負けしたのか(苦笑)、權永文はアッサリと敗退。そこに「どうも!」「あ、すみません!」とヘンテコな日本語を操る金童が登場し、いよいよ“六合八法拳士”vs“鉄血銀狐”の激突の時がやって来ます!
いや〜ここで金童と黄正利がそれぞれの得意とする電撃の拳技とド迫力のテコンドー蹴りを真っ向から打ち合うこのクライマックス・ファイトは改めて素晴らしい完成度だと実感させられるんですが、それでも闘いの途中で金童が丁髷と和服を脱ぎ捨て傍らで対抗戦を見守る皇帝と提督たちに向かって「おーい!俺は日本人じゃないんです!中国人ですよぉ!中国人!」と叫ぶシーンが何とも唐突と言いますか、興醒めと言いますか(トホホ!)。
最後は死闘の果てに見事黄正利を倒した金童が皇帝の前に跪くと、それまであれほど金童は自分の息子ではない!と言い張っていた提督が「この者は私の息子です!」と皇帝に擦り寄ります。それを聞いた皇帝が金童に「お前はこの提督の息子なのか?」と問い質すと、金童は悲しげな視線を提督に向けながら「いえ、私にはもう父親はいません!」と言い放ち、そのまま宮殿を立ち去るシーンで劇終です。

この『龍形摩橋』の主要キャストを見ると、同じ思遠影業公司作品にして成龍ことジャッキー・チェン主演作品『スネーキーモンキー蛇拳』(77)や『ドランクモンキー酔拳』(78)とキャストが酷似している事が判りますね。要するにこの『龍形摩橋』は『〜蛇拳』&『酔拳』からジャッキーと袁小田の師弟コンビを金童&石堅に置き換え、さらにそこに抗日映画のテイストなど多少のアレンジを加えた作品なんですね。って考えて見たら金童って当初は『〜蛇拳』の主役候補だったんだよなぁ・・・。
またこの『龍形摩橋』は、82年に韓国で韓振興行の製作によって呉思遠と朴允?の聯合導演作品として『正利と龍形摩橋』(82)の題名で公開されています。こちらがその『正利と龍形摩橋』の作品データです→ http://www.kmdb.or.kr/movie/md_basic.asp?nation=K&p_dataid=03640
またこの『龍形摩橋』の韓国バージョンである『正利と龍形摩橋』には『龍形摩橋』には出演していない韓国人武打星の權一秀の出演シーンなどが追加撮影されているようで、こちらの韓国現地サイトでその權一秀と黄正利の共演シーンのスチールを見る事が出来ます↓
http://cafe.daum.net/kungfustar/2bOc/1155?docid=uzVI2bOc115520100112163343

最後に日本でも『激突!ドラゴンvsジャガー(『二龍爭珠』)』(74)、 『萬法歸宗一少林』(76)、『六合千手』(79)、そして『マッドカンフー地獄拳』(79)などで知られる金童に簡単に触れておきましょう。実はこれは余り知られていない事実なんですが、金童はあの于占元率いる「中国戯劇学院」出身で、ある意味では金童は成龍や洪金寶、そして元彪と同門という事になります。当時の金童が于占元師父から貰った名前は“元斌”でしたが、于占元師父の金童に対する“体罰”が余りに厳しい事に激怒した金童の父親が金童を「中国戯劇学院」から連れ出し、代わりに金童に六合八法拳を学ばせたのでした。
また金童は一時期“古龍”の芸名を名乗っていましたが、これはあの武侠小説の大家である古龍から訴えられた事もあり、最終的な芸名をクリフ・ロクこと金童(金童の本名ロク・クワイフーを捩ったそうです)としたとの事です。

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