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Channel: 超級龍熱
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「“和製ドラゴン”倉田保昭、激闘!十五番勝負」(10) 人間vs人喰い虎!「武闘拳/猛虎激殺!」

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「“和製ドラゴン”倉田保昭、激闘!十五番勝負」第10回は、山口和彦監督、倉田保昭主演「武闘拳/猛虎激殺!」(76)でいきましょう!
恐らく、数ある倉田さんの劇場公開主演作品の中でも、その企画の衝撃度はマグナム級と言っていい本作ですが、当初この企画は千葉真一にオファーがあったものの、千葉ちゃんが出演を辞退した事で倉田さんに出演が回って来ました。
でもハッキリ言って、千葉ちゃんvs猛獣は「極真拳」シリーズで散々観ていた私としてはここは倉田さんの出番!の方がより嬉しかったのもまた事実でした。
家族を悪辣な悪党たち(石橋雅史や堀田真三)に殺された竜崎鉄次(倉田保昭)は、メキシコで武術の修行を積むと帰国し、アイアンドラゴンなる仮面武道家として活躍しながらも密かに復讐のチャンスを待っていました・・・って監督が山口和彦なので、そこは思い切り無国籍アクション映画バリバリで進行していきます(^_^;)。
その竜崎鉄次の前に立ちはだかる武道家たちも、石橋御大の他にも大塚剛(プロ空手創始者)、原田力、オマケに小林稔侍と曲者ばかりなんですね。
余談ですが、小林稔侍さんは昨年の倉田プロの舞台「ヤングマスター」も観劇に来ていましたね。
で、この「武闘拳/猛虎激殺!」の見せ場は何と言っても映画の後半の獰猛なベンガル虎(「Gメン75」にも出演した猛虎シーザー)が登場する辺りなんですが、まずは千葉ちゃんの実弟の矢吹二朗が果敢にもシーザーと闘うも、これがまた無残にシーザーのランチとなってしまいます(^_^;)。
続く竜崎鉄次は大塚剛との第1ラウンドで敗北を喫するも、敢然と立ち上がり、怨敵である石橋雅史たちが待ち受ける奇厳城と呼ばれる城に乗り込んでいきます。
この映画のクライマックスで奇厳城なる城に主人公が乗り込んでいく、という設定が本作「猛虎激殺!」がリーさんの「死亡遊戯」を意識して制作されたとの所以なんでしょうけど、リーさんの「死亡遊戯」に登場する“虎殿”の虎は只の毛皮で本物の虎じゃないって(^_^;)。
そして大塚剛との再戦で大塚を倒した竜崎鉄次は、いよいよ猛虎シーザーとの決戦に挑みますが、暗い牢獄を舞台に人間対人喰い虎の死闘が延々と映し出される中、実際には戦闘意欲がまるでない(^。^)シーザー相手によくぞ倉田さんはこれだけの迫真の戦闘シーンを演じ切ったと思います。
実はこの「猛虎激殺!」は「Karate vs Tiger」の英題で海外では長きに渡り幻の東映作品と言われ続けていて、私も以前にCSの東映チャンネルで本作が放送された時は狂喜しながら録画したのですが、同時にこのクライマックスの倉田さんvs猛虎シーザーが予想よりも大迫力だった事に思わず息を呑んだのを覚えています。
この「武闘拳/猛虎激殺!」は確かに奇天烈なB級空手アクション映画ではあります。ただそれでも人間vs虎という下手をすれば見世物小屋感覚になりがちな作品において、真剣に、只ひたすら真剣に“人間vs虎”に全力かつ体当たりで挑んだ倉田さんは、武打星として誰よりも輝いていた、と私は断言したいのです。
最後にまたも余談ですが、この「武闘拳/猛虎激殺!」以外で人間vs虎をテーマとした邦画があります。それが“野良犬”と呼ばれた伝説のキックボクサー小林聡主演「名無しの十字架」(12)です。倉田さんの「猛虎激殺!」と比べると娯楽性は足りないものの、格闘技ファンはチェックするだけの値打ちはある佳作です。そう、合言葉はドラゴォォォン!!

「あの「武闘拳/猛虎激殺!」は僕の日本での初主演映画でした。この映画の記者会見がありましてね。シーザーって200キロぐらいある虎と僕の会見なわけですよ(笑)。オープンセットの記者会見で、宣伝の人が「倉田さん、もしシーザーが興奮して暴れたら直ぐに逃げて下さい!」なんて言うわけです(苦笑)。で、そのセットが板で囲ってあって、記者の人たちは2階にいて、僕と初対面のシーザーだけが板のセットの中にいて、記者がカメラのフラッシュ焚くでしょう?そうすると鎖にも繋がれていないシーザーがそのフラッシュに興奮してドンドンと僕に迫って来るわけです!もう僕は直ぐに逃げましたよ!
撮影に入っても1週間ぐらいはとてもじゃないけど近ずけなかったですね。「今日のシーザーは機嫌悪いのかな?」みたいなね。スタッフも「倉田さん、今日はシーザーが機嫌良いから撮りましょう!」って感じで(笑)。シーザーに引っかかれた傷跡がまだ僕の手にありますけど、シーザーにとってはジャレてるつもりだけでしょうけど、軽く遊ぶみたいに手で押されただけで僕らは立ってられないですからね。で、シーザーが機嫌悪くて撮影出来ないって時は人間が3人ぐらい入った虎のヌイグルミ相手に格闘するんですが、横でシーザーがそれ見て笑ってるみたいだったなぁ(苦笑)。いや虎と一緒の40日ぐらいの撮影は本当に神経が疲れましたね」(倉田保昭:談)

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