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Channel: 超級龍熱
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「死亡遊戯SP~君は“フィリピンの魔杖師”パスカルを見たか!?」④ 李小龍編

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「死亡遊戯SP~君は“フィリピンの魔杖師”パスカルを見たか!?」④

このダン・イノサント師父と私のインタビューでちょっと面白いと言うか、印象に残っている事があります。
このインタビューで通訳を担当した人間は女性の通訳で、イノサント師父が英語がメイン言語という事もあり、当然英語が専門の通訳のようでした。
私が五重塔の3階でイノサント師父が守るフロアの“虎殿”について、どんな理由で虎をモチーフとしたフロアになったのか?と訊いた質問に対して、イノサント師父が答えてくれた内容を通訳している女性の様子がどうも変なんですよ(^。^)。
通訳の女性は「えっと・・・えっとですね。イノサントさんはフィリピンに虎はいないと仰ってるようです、はいはい!(汗)」
確かに私のイノサント師父に対する「死亡遊戯」の質問は相当マニアックなので、唯でさえ一般的には判り難い香港クンフー映画のインタビューで、この通訳の女性が最後まで私の質問を英語でイノサント師父に通訳するのに悪戦苦闘しているのが私にも判りました。
そしてインタビューが無事に終わって、私がイノサント師父と直接英語で話しているのを見ていたその通訳の女性は私に駆け寄って来ると、不安げな表情で「あ、あの今日の私の通訳、あれで良かったでしょうか?」と訊いて来たんですね。
うう~ん、インタビューが終わってから私にそんな事を訊かれてもねえ!でもフィリピンに虎がいない事だけは判ったような、判らないようなって感じだったです、はい(^_^;)。

こうしてインタビュー取材が終わり、私たちはイノサント師父を囲んでの楽しいサイン会や記念撮影会となりました。
私は用意した色紙にイノサント師父による「To Jiro,Game of Death.Dan Inosanto」と直筆サインを入れて貰い、他の編集者との合同ですが、記念写真も撮りました。
そして某映画監督が用意した赤のヌンチャクをイノサント師父に手渡し、私が「良かったら軽く廻して貰えますか?」とリクエストすると、イノサント師父は快く「いいよ。こうやって、こうだろ?こうかな!」とまさにあのパスカルのような軽快なヌンチャク捌きを披露してくれました。いや~イノサント師父、良い人です(^_^)。
さらに編集者が用意した「死亡遊戯」のイエロートラックスーツにこれまた直筆サインを入れたイノサント師父は、サインを入れ終わるとちょっと照れた表情でそのトラックスーツをカメラに向かって掲げてくれました。
しつこいですが、イノサント師父、本当に良い人です(^_^)。改めて、本当にありがとうございました。

私のイノサント師父の印象は物静かで聡明な佇まいの中にも強い意志を持った人、でした。
恐らくは66年前後のロサンゼルス時代、リーさんとイノサント師父は会えば引っ切り無しに1人で喋りまくっているリーさんの横でイノサント師父がその話を静かに頷きながら聞いている。そんな風景が毎日のように見られたのではないでしょうか。
まさにリーさんの親友として深く濃厚な時間を共に過ごしたイノサント師父に「死亡遊戯」に関する貴重な証言を数多く語って貰えた事は、私にとって本当に有意義な時間でした。
以前にも触れましたが、この私とイノサント師父のインタビューの様子は当日にビデオ録画されて、いま現在も私の手許に保管されています。
今後、何らかの形でこのインタビュー映像を皆さんにもお見せする機会を設ける事が出来れば、と思っています(^_^)。
最後に、この2000年の私とイノサント師父のインタビューで、私が最も印象に残ったイノサント師父の言葉を書き記しておきたいと思います。
それは生前のリーさんがイノサント師父に「死亡遊戯」について語った言葉で、それはリーさんが友人であり、作品の出演者でもあるイノサント師父に「死亡遊戯」という作品の核心部分を語った、文字通り「死亡遊戯」の作品世界を明確に言い表している言葉だったのです。

リーさん「ダン、この「死亡遊戯」という映画には一貫したテーマがあるんだ。それは主人公たちが塔の1階、2階、3階と登っていき、そこにある障壁に挑戦する事に意味を見出す。言わば、この「死亡遊戯」は主人公が知識を探求する人間物語なんだ!」

主人公が知識を探求する人間物語「死亡遊戯」。私たちはこのデスゲームという謎に満ちた物語の知識を追い求めて、これまでも、そしてこれからも、その“答えなき答え“を探求し続けていくのです。

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