Quantcast
Channel: 超級龍熱
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1873

未使用映像と共に迫るマックィーン、男の生き様!「その男とル・マン」5月公開。

$
0
0
昨日、某試写の会場で男性2人が口喧嘩になって、一時場内が険悪な雰囲気になってました。私が知る限り試写ではこういう事はまず起こらないんですが、1人は60代後半の男性で、もう1人は関西弁の若い男性で、どうやら老人の方が隣の友人に別の試写で観た映画の結末を大きな声で話していて、それを聞いた若い男性が「ネタバレになるやんけ!」とブチ切れたようです。
まあ若い男性の主張も理屈は通ってはいますが、それでもあそこまで関西弁で口汚く罵倒しなくても良いと思うし、また老人もいい歳して大声で言い返したり、ともう周りは「あんたら、何やってんだよ?」でした(失笑)。
でもこういう60歳後半の“オヤジ中学生”と、関西弁丸出しの“大阪のチンピラ”みたいな輩って、きっと私たちの周りにもいるんでしょうねえ(笑)。

さて、今日は都内某所でガブリエル・クラーク&ジョン・マッケンナ監督によるスティーヴ・マックィーン主演「栄光のル・マン」(71)の制作過程を描いたドキュメンタリー「その男とル・マン」(15)を試写で観て来ました。
今回新たに発見された500箱に及ぶ「栄光のル・マン」撮影時の未使用映像やマックィーン本人のボイス・レコーディング、さらには元マックィーン夫人のニール・アダムスや息子チャド・マックィーンなど多くの関係者のインタビューで構成されたこのドキュメンタリーは、私たちがこれまで知る事が無かった映画人としてのマックィーンの繊細な素顔や苦悩の日々を赤裸々に映し出していきます。
とにかくこの「栄光のル・マン」は撮影開始から苦難の連続で、それは監督の名匠ジョン・スタージェスとマックィーンの対立からスタージェスの降板、脚本の不在が生み出す現場の混乱と予算超過、さらにマックィーンと出演女優のプライベートでの自動車事故、そしてドライバーの撮影中のクラッシュによる不幸な結末など様々なトラブルがマックィーンに襲いかかります。
その結果、マックィーンは制作会社からプロデューサーの権利を剥奪され一介の俳優としての出演続行を強いられ、マックィーンのプライドとキャリアは大きく傷つきます。それでもマックィーンは彼が愛し敬うレーサーたちの雄姿を何としても銀幕に飾らんと「栄光のル・マン」を不屈の精神力で最後まで撮り切り、映画は1971年に公開されますが、その興行成績は惨敗に終わるのでした。その運命の結末にマックィーンは果たして何を観るのか・・・。

私が個人的に印象に残った事柄ですが、まずは有名なシャロン・テート事件の当日に何とマックィーンもポランスキー邸に招待されていたという驚きの事実です。
あのブルース・リーをウイリアム・ドジャーに紹介した理髪師のジェイ・セブリングやシャロン・テートと共に、もしかしたらマック・ウィーンもマンソン一家の襲撃を受けていたのかと思うと本当に恐ろしい気がします。
もう一つはマックィーンの息子で数多くのB級アクション映画に主演したチャド・マックィーンの現在の体調です。ここはドキュメンタリーを観て頂くと判りますが、私は今のチャドの様子はちょっとショックでした。
この「その男とル・マン」はスティーヴ・マックィーンの栄光の俳優人生の狭間にポッカリと黒く口を開けた苦闘の記録でもある「栄光のル・マン」を通して、如何にマックィーンという人が映画を愛し、カーレースを愛し、そして家族を愛していたのかを改めて深く知り得るに足りるドキュメンタリー映画の秀作なのです。
そう、マックィーンの親友だったブルース・リーにとってハリウッド凱旋を懸けた「燃えよドラゴン」(73)がリーさんの人生とプライドを懸けた作品なら、「栄光のル・マン」もまたマックィーンの人生とプライドを懸けた執念の作品だったのです。
この「スティーヴ・マックィーン、その男とル・マン」は、新宿シネマカリテにて5月にロードショー公開との事です!!

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1873