孤独の果てに辿り着いた安らぎ。ハンネス・ホルム監督「幸せなひとりぼっち」12月公開。

さてさて、昨日はスウェ―デン映画でハンネス・ホルム監督、ロルフ・ラスゴード主演「幸せなひとりぼっち」(15）を試写で観て来ました。
59歳の老人オーヴェ（ロルフ・ラスゴード）は自治会のルールにやたら厳しく、近所の住人たちに毎日のように口やかましく接する事から、近所の鼻つまみ者でした。
愛する妻に先立たれていたオーヴェは、親友だった男性とも自治会の選挙が原因で仲違いし、おまけに長年勤めた会社からもクビを宣告されてしまい、絶望したオーヴェは妻が待つ天国に逝こうと自殺を決意します。
そんなオーヴェの家の向かいにある一家が引っ越してきます。夫と2人の子供、さらにはお腹に3人目を妊娠中の女性パルヴァネは気難しいオーヴェにもお構いなしに日々明るく、優しくオーヴェに接し、オーヴェは結局自殺するタイミングを逸してしまいます。
それどころか、パルヴァネ一家の温かい雰囲気に次第に心を開いたオーヴェは、これまで誰にも話す事のなかった自分のこれまでの長い人生の道程、特に愛する妻ソーニャとの出会い、幸せな結婚、そしてオーヴェとソーニャの2人に起きた余りにも悲しい出来事をパルヴァネに語り始めるのでした・・・。
原作は200万部を誇るベストセラー、スウェ―デンで大ヒットを達成したこのヒューマン・ドラマですが、いま心に大きな穴が開いたように寂しくて堪らない方、家族の愛情を何処かに忘れてしまっている方、そしてこのオーヴェのような御爺ちゃんを懐かしく思い出す方にお薦めの映画です。この「幸せなひとりぼっち」は12月17日からクリスマス・ロードショーとの事ですので是非！