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Channel: 超級龍熱
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「龍虎的神話再現」? 『死亡遊戯』出演を拒否した何宗道、最後のヌンチャク演武!?「風起雲湧精武門」

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さて、「龍虎的神話再現」その第2回は、先日急逝しました金泰中こと唐龍への追悼の意味も込めて、金泰中と同じくリーさんことブルース・リーのソックリさんの第一人者(?)である何宗道が某ステージショー「風起雲湧精武門」で見せたアトラクション映像(約2分40秒)でいきましょう。
某ステージショーと言っても、私自身この「風起雲湧精武門」に関しては以前に友人から貰ったVHSに他の映像と一緒に入っていた映像という以外全く詳細が不明でして、ただステージに流れる女性のアナウンスが北京語である事から、恐らくかなり昔に台湾で行われた映画関連の式典か何かのステージショーではないでしょうか?
で、この「風起雲湧精武門」ですが、いきなり巨大なホール内に『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ曲が流れ始めると同時に12、3人の青年(復興劇校とテロップが出るので、その劇校の生徒かも知れませんね)が登場し、それぞれが「李小龍!李小龍!」と合唱しながらリーさんの物真似ポーズをしたり、お互いに廻し蹴りをしたりと、それなりに見事な演武を見せてくれます。
ただここで注目すべきは、これら復興劇校の演武を指導した人物として「指導老師:謝興」とテロップが出る点でしょうね。
まあ、これだけなら何と言う事はないステージショーなのですが、ショーの終盤になるとステージの左端から勇ましい女性の紹介アナウンスと共に「タタタ!」とランニングシャツ姿の男性がステージの中央に早足で出てくると、右足での開脚静止ポーズ(ってちょっとヨロケますが)、右の連続前蹴り(って殆ど迫力無しですが)などリーさんの物真似アクションを殆どやる気無さそうに(苦笑)披露し始めます!
おお、これは何宗道じゃないか!?それが証拠に画面にもちゃんと「雙節棍表演:何宗道」とテロップが出ています!で、でもこの時の何宗道の風貌ってもう異様に老けてるぞい???だってここで何宗道が見せるヌンチャク・アクション(って何度もヌンチャク掴み損なってます)や、最後の決めの飛び蹴りも明らかに「ヨタヨタ!」って感じで、往年の何宗道の迫力あるクンフー・アクションを観ている私たちからすれば、何か痛々しくて見ていられないぐらいルックス&アクションが激しく衰えていた何宗道でした(溜息)。
思うにこの「風起雲湧精武門」に引っ張り出されて来た頃の何宗道って、もう映画界から引退して何年も経っていたんじゃないでしょうか?
どうも本人が望んでいないのに無理やりに公衆の面前に引っ張り出されて、嫌々リーさんの物真似をさせられているようで、ちょっと可愛そうな感じでさえあった何宗道でありました。
もしかしたら、この「風起雲湧精武門」が何宗道が公衆の面前でブルース・リーを演じた最後の雄姿だったのかと思うと・・・何とも物悲しく切ないですね。

さて、何宗道は本家のロバート・クローズ監督作品『ブルース・リー死亡遊戯』(78)が完成する以前に“偽死亡遊戯系列三部作”の1本である『新死亡遊戯/7人のカンフー』(75)に主演していますね。
ところが、その当時本家『〜死亡遊戯』を製作していた嘉禾公司からも何宗道にリーさんのダブルとして『〜死亡遊戯』への出演依頼があった事実をご存知でしょうか。
この『〜死亡遊戯』出演依頼に関する嘉禾公司との当時のやり取りについては、何宗道本人が詳しいコメントを残しています。
何宗道曰く「嘉禾公司が私に李小龍の未完成作品『死亡遊戯』に出演して欲しいと言って来た。でも私はそのオファーを断ったんだ。何故なら嘉禾はその『死亡遊戯』に余りに多くの人間をダブルとして起用するつもりだったんだよ。3人の人間が1人のブルース・リーを演じるなんて!嘉禾は言うにはまずリーに顔が似ている香港人(恐らくアルバート・シャム)、さらにキックが得意な韓国人(恐らくは金泰中!)も使うと言うんだ。だから私は嘉禾にこう言ったんだ。1人は顔で、1人はキックか。では私は何を見せれば良いんだ?私のお腹かい?もし君たちが私に『死亡遊戯』に出演して欲しいなら、私1人だけにブルース・リーを演じさせてくれ!その代わり私は他の映画の仕事を全てストップしてこの『死亡遊戯』1本に専念しよう。何故なら私はこの『死亡遊戯』で李小龍のために私のベストを捧げたいんだ!」
この何宗道が『死亡遊戯』に対する熱い想いを語る余りにも感動的なインタビューは、イギリスのDVDレーベル「仇/VENGEANCE VIDEO」からリリースされていた『詠春與截拳』(76)DVDの映像特典で観る事が出来るんですが、私はこの何宗道のインタビューを初めて観た時、不覚にも落涙してしまいました。
何故なら何宗道が『〜死亡遊戯』について切々と語るその表情からは、自分たち中国人の英雄である李小龍に対する限りない敬意と、自身がその李小龍のソックリさん映画の“先駆者”である事に対する大いなるプライドをハッキリと感じ取る事が出来たからです。
私、龍熱も何宗道がもし『ブルース・リー死亡遊戯』で金泰中との“ソックリさん競演”を承諾していたら、一体どんな『〜死亡遊戯』になっていたんだろう?と思いを馳せるのと同時に、果たして亡き金泰中こと唐龍が上記の何宗道のコメントを聞いた時、金泰中はどんな心境になったのだろうか、との思いでした・・・。
最後になりましたが、この「風起雲湧精武門」の映像を提供して下さったM.E君に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
と言うわけで、「龍虎的神話再現」次回をどうかお楽しみに!

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