Quantcast
Channel: 超級龍熱
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1863

“滄海一聲笑”よ、高らかに!胡金銓導演『スウォーズマン/剣士列伝』を観る!

$
0
0
さて、昨日は「洋画★シネフィル・イマジカ」さんのサンプルDVDで胡金銓導演、徐克、程小東、李惠民他による執行導演、許冠傑主演『スウォーズマン/剣士列伝』(90)を観てみました。
私もこの映画は日本語字幕付きで観るのは久々なのですが、あの90年代の香港武侠片特有の豪快かつ美しいワイヤーワークが縦横無尽に画面を飛び交う様を大変楽しんで観る事が出来ました♪
ご存知のように、この映画は金庸の「笑傲江湖」を原作として、明の時代を舞台に“葵花宝典”なる無敵の秘術が収められた秘伝書の争奪戦を描いているんですが、私としては劇中で展開される華麗なる武侠アクションや秘伝書を手に入れようと無数の人間が裏切り、また裏切られるスリリングな展開に加えて、この『スウォーズマン/剣士列伝』完成に到るまでの映画顔負けのプロセスを知った上で本作を観るとその面白さ倍増だと言い切りたいんですね。
まずこの『スウォーズマン/剣士列伝』最大のトラブルは胡金銓と徐克の確執にあって、ハッキリ言って徐克のハチャメチャなやり方(脚本を12回変更したりは序の口!)に胡金銓が愛想を尽かして最後には導演を降板してしまうんですが、その辺りの徐克のハチャメチャ振りに関しては山田宏一さん&宇田川幸洋さんの名著「キン・フー/武侠電影作法」(草思社)の『スウォーズマン剣士列伝』のパートの一読をお薦めしたいです。
いや〜胡金銓大導演、もう徐克に怒りまくってますねえ(苦笑)。あと個人的にこの映画で大好きなシーンが中盤でのサミュエル、午馬、林正英たちが船上で高らかに“滄海一聲笑”を歌うシーン、ここは何度観ても本当に素晴らしいですね!!
本当にこのシーンは大好きです♪あとこれまた「キン・フー/武侠電影作法」に証拠写真(?)が掲載されているんですが、完成した『スウォーズマン剣士列伝』では日月教の教主を張敏が演じていますが、当初このキャラクターはサリー・イップこと葉倩文が演じていて、実際葉倩文はかなりのシーンを撮影していたそうですね。今は亡き胡金銓も絶賛していた日月教教主役の葉倩文の未使用フッテージ、もしまだ何処かに残っているなら是非観たいですねー!
そして最後に劇中で主人公のサミュエル演じる令狐冲にその無敵の剣術を伝授し疾風のように去っていく謎の老師、実はこの老人を演じているのがリーさんの香港凱旋記念作品『ドラゴン危機一発』(71)のクライマックスでリーさんと激闘を見せた韓英傑だったんです。韓英傑はこの『スウォーズマン剣士列伝』出演後に惜しくも癌で亡くなってしまうんですが、リーさん信者に限らず、この“香港映画伝説の武師”韓英傑の最後の雄姿を是非皆さんの目にシッカリと焼き付けて欲しいと思います。この『スウォーズマン/剣士列伝』は、今月「洋画★シネフィル・イマジカ」さんで放送予定との事ですので、是非ご覧になってみて下さい!!

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1863

Trending Articles