いきなりですがターボ!ターボです!英語芸名ターボ・ロウこと羅莽は九龍寨城(!)に生まれ、父の薦めもあり南派蟷螂拳を学びます。
やがて張徹監督が台湾に邵氏公司傘下の形で立ち上げた長弓公司で絡み役(「少林寺列伝」(76)などで何故かスキンヘッドの若き羅莽が確認できます)からキャリアをスタートした羅莽は、張徹監督と共に香港に戻ると「五毒拳」での鋼鉄の肉体を誇る毒蝦蟇役で注目を浴びます。
実はこの当時の羅莽は北京語がまだ堪能ではなかった事で張家班の中でも居心地が悪かったそうですが、幸運な事に羅莽の実兄が張徹監督のお抱え運転手だった事もあり「五毒拳」の大役を獲得する事が出来ました。
“五毒系列作品”での羅莽はほぼ一貫して共通のキャラを演じています。それが短気で実直な一本気男です😉。
そのある意味“熱血男児キャラ”が原因で「五毒拳」では無残な最後を遂げたり、「残酷復讐拳」(78)では口や耳が聞こえなくなるなど散々な目に遭うのですが、それでも龍熱は「残酷復讐拳」で羅莽が盲目となった郭追と手を繋ぎ合う事で互いに意志を伝達しながら闘う様は最高にカッコ良く、これぞ“五毒系列作品”屈指の名場面である!と強く断言したいのです(キッパリ)。
1980年代に入ると羅莽は邵氏公司で出演作品のジャンルを武打片から現代劇へとシフトチェンジしていきますが、それらの中には羅莽が颯爽とした刑事役を演じる王龍威監督作品「山東狂人」(85)があります。
この銭小豪が文字通り“生き地獄”を見る超バイオレンス映画の全貌を語るには文字数が足りな過ぎるのでここでは触れませんが(^_^;)、羅莽は“五毒”たちの中でも郭追と共に武打片から現代劇へと比較的スムーズに移行出来た稀なケースでしょう。
プライベートでの羅莽は1989年に10年連れ添った愛妻を血液の癌で亡くしてからはその人生もまさに山あり谷ありだったようです。
そんな羅莽が「イップマン2」(11)で懐かしの短気で一本気キャラの羅師父としてドニー葉問と真っ向テーブルマッチを見せてくれた事は本当に嬉しかった😉。
今もアメリカで絶大な人気を誇る羅莽は、数年前にはロバート・サミュエルズが企画する羅莽の“五毒系列作品”の代表作「金臂童」(79)の続編的作品「Return of Kid with Golden Arm」製作案もあったようです。
そう、ターボ・ロウこと羅莽はまだまだターボチャージャー全開なのだ!我ら“毒”を喰らわば“五毒”なり!!
Its Turbo Time !! Turbo Lo Meng as iron robe Toad Venom.