デューク「ロッキー!ロッキー・バルボア!ここにお前が闘わなければいかん男がいるぞ!さあ!出て来て男らしく闘え!」
ロッキーとポーリーが行きつけのバーでビリヤードに高じていると、店の外からジョージワシントン・デュークの声が拡張マイクに乗って店内に響いて来ました。
ロッキーがそれを無視していると、デュークたちを引き連れたトミー・ガンが荒々しく店内に入って来ます。
「ロッキー!俺は金目的のアンタに黙らされロボット扱いされた!男だったら俺と闘え!」とロッキーを激しく詰ります。
ロッキーは「金目的だって?トミー、俺はミッキーから教わったボクシングをお前に教えたかった。ミッキーはお前の後ろにいるような金の亡者から俺を守ってくれたんだ。ソイツはお前の事なんか何とも思っちゃいない。いずれ使い古しにされて捨てられるぞ!」と諭します。
「うっ!・・」まだほんの僅かに残っていた良心がトミー・ガンを一瞬戸惑わせますが、ポーリーの「お前なんかチャンピオンじゃねえ!ただのチンピラさ!本当のチャンピオンはこのロッキーだぜ!」との一言に下劣な野獣と化したトミーはポーリーを素手で殴り倒します!
ロッキー「ポーリー?ポーリー!?」
ポーリー「ロック・・こんな屑に手を差し伸べるべきじゃなかったんだ」
トミー「さあ!俺と闘え!どうした!?」
ロッキー「おい、殴るなら、この俺を殴れ!」
デューク「待、待て!2人が闘うならリングだ!リングの中で闘え!」
ロッキー「俺のリングはこの店の外だ!」
トミー「いいだろう。やってやらあ!」
悠然と店の外に飛び出たロッキーとトミー・ガンはお互いの怒りと悲しみと戸惑いをぶつけ合いながら猛然と殴り合います!
その2人を街の人々が取り囲み、そこにエイドリアンとロッキーJrも駆けつけ、いまロッキーが長年住み慣れた街は2人のヘビー級ボクサーが死力を尽くして殴り合う戦場と化します!
ロッキーは1度はトミーのハードパンチでダウンしますが、そこに聞こえて来た亡きミッキーの「立て!まだゴングはなってないぞ?立つんだ!ロッキー!」の声にユックリと立ち上がると、デュークを従えその場を立ち去ろうとする若き世界チャンピオンに向かってこう叫ぶのでした。
ロッキー「トミー!もう1ラウンドだ!」
ここからのロッキーvsトミー・ガンの闘いは、ロッキーがボクシングテクニックだけではないスライディングレッグシザースやバックドロップといった“ストリートMMA”殺法でトミーを追い込み、そこから連続のボディ攻撃でトミーを攻め立てトミーは防戦一方となります。
そう、そのロッキーの左からの怒涛のパンチは、あの偉大な王者アポロ・クリードを圧倒し、狂乱の猛者クラバー・ラングを打ち倒し、そして無敵巨漢イワン・ドラゴの鉄の心を打ち砕いた、文字通り傷だらけにして誇り高き“魂の拳”なのである!!
ロッキーはかつての愛弟子が足許に崩れ落ちるのを見届けると、傍らで「俺に触ったら訴えるぞ!」と叫ぶデュークを弾き飛ばし、自分に抱きついて来たエイドリアンとJrをただ優しく抱き締めるのでした。
確かにロッキーは全てを失いました。でもロッキーには愛するエイドリアンとJrがいれば、あとはもう何も要りませんでした。
そう、いま元世界ヘビー級チャンピオン、ロッキー・バルボアの心は世界中の誰よりも満たされていたのです。
再び「ロッキー」(76)のジョン・G・アヴィルドセンを監督に迎えたこの「ロッキー5/最後のドラマ」は、いま現在もその評価が賛否両論別れる作品です。
本作の最大の問題点、それは映画のラストでロッキーがリング上ではなく路上での闘いに挑む、ここに尽きると思います。
確かにそれはシリーズ最終作のクライマックスとしてはある意味“異色のラスト”ではあります。ただそれもこの「ロッキー5」から長い年月を経て、ロッキー・バルボアの人生が再び動き出した現在、その“異色のラスト”もまた違った視点で冷静に受け止められる私たちがいます。またシリーズの中でも一際繊細かつドラマチックに描き込まれた本作の人間ドラマは改めて評価されてしかるべきでしょう。
余談ですが、本作のラストではロッキーと敗れたトミー・ガンが最後にガッチリと握手を交わす感動的な別エンディング(スチールも残っています)も撮影されましたが、本編では使用されませんでした。
個人的にはこの別エンディングは是非入れて欲しかったと思っています。
この「ロッキー5/最後のドラマ」後のロッキーことシルベスター・スタローンの人生には本作でロッキーJrを演じたセイジ・スタローンの死。さらにはトミー・ガン役のトミー・モリソンの死と幾つもの大きな悲しみが襲いかかります。それでもスタローンはその深い悲しみを懸命に乗り越え、一度は終わったと心に決めた“イタリアの種馬”の波乱の人生に再び生命を吹き込む事を決断するのでした。
Hey Tommy ! My ring is outside !! A exciting climax from Rocky5.
ロッキーとポーリーが行きつけのバーでビリヤードに高じていると、店の外からジョージワシントン・デュークの声が拡張マイクに乗って店内に響いて来ました。
ロッキーがそれを無視していると、デュークたちを引き連れたトミー・ガンが荒々しく店内に入って来ます。
「ロッキー!俺は金目的のアンタに黙らされロボット扱いされた!男だったら俺と闘え!」とロッキーを激しく詰ります。
ロッキーは「金目的だって?トミー、俺はミッキーから教わったボクシングをお前に教えたかった。ミッキーはお前の後ろにいるような金の亡者から俺を守ってくれたんだ。ソイツはお前の事なんか何とも思っちゃいない。いずれ使い古しにされて捨てられるぞ!」と諭します。
「うっ!・・」まだほんの僅かに残っていた良心がトミー・ガンを一瞬戸惑わせますが、ポーリーの「お前なんかチャンピオンじゃねえ!ただのチンピラさ!本当のチャンピオンはこのロッキーだぜ!」との一言に下劣な野獣と化したトミーはポーリーを素手で殴り倒します!
ロッキー「ポーリー?ポーリー!?」
ポーリー「ロック・・こんな屑に手を差し伸べるべきじゃなかったんだ」
トミー「さあ!俺と闘え!どうした!?」
ロッキー「おい、殴るなら、この俺を殴れ!」
デューク「待、待て!2人が闘うならリングだ!リングの中で闘え!」
ロッキー「俺のリングはこの店の外だ!」
トミー「いいだろう。やってやらあ!」
悠然と店の外に飛び出たロッキーとトミー・ガンはお互いの怒りと悲しみと戸惑いをぶつけ合いながら猛然と殴り合います!
その2人を街の人々が取り囲み、そこにエイドリアンとロッキーJrも駆けつけ、いまロッキーが長年住み慣れた街は2人のヘビー級ボクサーが死力を尽くして殴り合う戦場と化します!
ロッキーは1度はトミーのハードパンチでダウンしますが、そこに聞こえて来た亡きミッキーの「立て!まだゴングはなってないぞ?立つんだ!ロッキー!」の声にユックリと立ち上がると、デュークを従えその場を立ち去ろうとする若き世界チャンピオンに向かってこう叫ぶのでした。
ロッキー「トミー!もう1ラウンドだ!」
ここからのロッキーvsトミー・ガンの闘いは、ロッキーがボクシングテクニックだけではないスライディングレッグシザースやバックドロップといった“ストリートMMA”殺法でトミーを追い込み、そこから連続のボディ攻撃でトミーを攻め立てトミーは防戦一方となります。
そう、そのロッキーの左からの怒涛のパンチは、あの偉大な王者アポロ・クリードを圧倒し、狂乱の猛者クラバー・ラングを打ち倒し、そして無敵巨漢イワン・ドラゴの鉄の心を打ち砕いた、文字通り傷だらけにして誇り高き“魂の拳”なのである!!
ロッキーはかつての愛弟子が足許に崩れ落ちるのを見届けると、傍らで「俺に触ったら訴えるぞ!」と叫ぶデュークを弾き飛ばし、自分に抱きついて来たエイドリアンとJrをただ優しく抱き締めるのでした。
確かにロッキーは全てを失いました。でもロッキーには愛するエイドリアンとJrがいれば、あとはもう何も要りませんでした。
そう、いま元世界ヘビー級チャンピオン、ロッキー・バルボアの心は世界中の誰よりも満たされていたのです。
再び「ロッキー」(76)のジョン・G・アヴィルドセンを監督に迎えたこの「ロッキー5/最後のドラマ」は、いま現在もその評価が賛否両論別れる作品です。
本作の最大の問題点、それは映画のラストでロッキーがリング上ではなく路上での闘いに挑む、ここに尽きると思います。
確かにそれはシリーズ最終作のクライマックスとしてはある意味“異色のラスト”ではあります。ただそれもこの「ロッキー5」から長い年月を経て、ロッキー・バルボアの人生が再び動き出した現在、その“異色のラスト”もまた違った視点で冷静に受け止められる私たちがいます。またシリーズの中でも一際繊細かつドラマチックに描き込まれた本作の人間ドラマは改めて評価されてしかるべきでしょう。
余談ですが、本作のラストではロッキーと敗れたトミー・ガンが最後にガッチリと握手を交わす感動的な別エンディング(スチールも残っています)も撮影されましたが、本編では使用されませんでした。
個人的にはこの別エンディングは是非入れて欲しかったと思っています。
この「ロッキー5/最後のドラマ」後のロッキーことシルベスター・スタローンの人生には本作でロッキーJrを演じたセイジ・スタローンの死。さらにはトミー・ガン役のトミー・モリソンの死と幾つもの大きな悲しみが襲いかかります。それでもスタローンはその深い悲しみを懸命に乗り越え、一度は終わったと心に決めた“イタリアの種馬”の波乱の人生に再び生命を吹き込む事を決断するのでした。
Hey Tommy ! My ring is outside !! A exciting climax from Rocky5.