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Channel: 超級龍熱
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女刑事水野美紀、おぞましき人間肉欲地獄に挑む!園子温監督最新作『恋の罪』公開迫る・・・!

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さて、お盆休み明けの昨日は都内某所で『冷たい熱帯魚』(11)で世界中を戦慄させた園子温監督最新作、水野美紀、冨樫真、神楽坂恵主演『恋の罪』(11)を試写で観て来ました。
この『恋の罪』は園子監督が90年代に渋谷は円山町(有名なラブホテル街です)で実際に起きた殺人事件にインスパイアされて撮った作品との事です。
まあ水野美紀と言えば当ブログでも“和製女ドラゴン、最後の切り札”としてお馴染みのアクション派女優として広く知られている人ですね。でも今回の水野美紀は人間の死体の一部とマネキン人形を繋ぎ合わせた猟奇殺人事件の真犯人を追い求め捜査に奔走する女刑事でありながら、実は旦那の後輩の男性と不倫関係にある女性和子を実にリアルかつ生々しく演じています。
まず私が何よりもビックリしたのが、映画の冒頭で和子がラブホテルのシャワールームで不倫相手とセックスしている最中に警察からの電話を携帯で取ろうとシャワールームから全裸(!)で飛び出て来るシーンでした。勿論、水野美紀がオールヌードを披露するのはこの映画が初めてでしょうし、場面的にもヌードでもそれほど違和感がないシーンだったんですが・・・私はこの水野美紀の全裸シーンから彼女のこの映画に対する“気合いと決意”を感じ取りました。
ただこの『恋の罪』の水野美紀は確かに主役の1人ではありますが、ある意味水野美紀は本作の“狂言廻し”的存在で、むしろ実際にこの映画で観る側を「これでもか!これでもか!」とグッタリさせるほどの徹底した“人間肉欲地獄”に引きずり込んでいくのが大学のエリート助教授でありながら恐るべき“裏の顔”を持った美津子(冨樫真)と、人気小説家の妻の立場に何処か物足りなさを感じながら毎日を過ごす人妻いずみ(神楽坂恵)の2人なんですね。
特に狂気と知性が背中合わせの鬼気迫る表情で「いずみ!いいか?お前はキチッと私のとこまで堕ちてこい!」と純真な人妻いずみを“円山町、悪夢の肉欲世界”に取り込んでいく美津子を文字通り怪演した冨樫真の圧倒的なまでの存在感は、この『恋の罪』の持つ作品世界の中核部分を成していると断言します。
で、その美津子の狂気の世界は自分の娘である美津子と笑顔でお茶を飲みながら「美津子さん、貴女最近売春の方は如何なの?」と平然とした口調で(苦笑)語りかける美津子の母親(大方斐紗子。同じく大怪演!)の登場によって、美津子と美津子の父親のおぞましい秘密、そして映画の終盤でいずみがラブホテルの一室で直面するその誰もが「そ、それだけはあり得ない!見たくない!絶対に見たくない!」的な“愛と憎しみと悲しみの修羅場”で最高潮を迎えます。
このいずみにとっての“愛と憎しみと悲しみの修羅場”が露見する場面が近ずくにつれ・・・劇中で流れる「ドン!ドン!ドン!ドン!」なる戦慄度をさらに増長させるBGMがまた絶妙の効果を発揮していて、私は映画を観終わった後も、暫くこの「ドン!ドン!ドン!ドン!」なるBGMが耳から離れませんでしたねえ(苦笑)。
恐らくは、いま日本で一番怖くて面白い映画を撮る映画監督が園子温監督だと思いますし、今回の『恋の罪』も『冷たい熱帯魚』に勝るとも劣らない快作に仕上がっていますので、是非皆さんもご覧になってみて下さい。
この『恋の罪』は11月12日から「テアトル新宿」、「ヒューマントラストシネマ渋谷」、「シネ・リーブル池袋」でロードショー公開との事です!!

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