さて、ここ最近はレア&珍映像を取り上げる「龍虎的神話再現」が続きましたので、今回はグッとオーソドックスな武打片でいきたいと思います。それが李作楠導演、金童(即:古龍)主演『大鄉里大鬧歐洲』(74)です。
本作は又題を『跨海西征』と言いまして、当時の香港&台湾映画としてはユニークなオランダはアムステルダムに海外ロケーションを敢行しています。
物語は香港から来た主人公の唐山(金童)がアムステルダム在住の兄貴分の査理(高雄。本作では林探表記)の許を訪ねる所から始まります。唐山は母親(黎灼灼)から「和蘭でしっかり働きなさい。あと西洋の女性と仲良くなって、香港に連れて帰って来たりは絶対しないで!」と厳しく言い渡されていて、現地での唐山は予想通り(?)何度も金髪美女に誘惑されますが、何とかその金髪美女の猛アタックを切り抜ける毎日(苦笑)。
ところが査理の指示通りに渡された包みを相手に届けるという仕事を真面目にこなしていた唐山ですが、ある日その包みの中身が麻薬である事を知り、正義感の唐山はその包みを海に投げ捨ててしまいます。
それを知った査理(実はオランダ・マフィアの幹部!)は、唐山から麻薬を取り戻すために組織の屈強な白人や黒人の刺客を唐山に差し向けますが、現地に住む中国人ジゴロ(苦笑)の李抜羅(李昆)や中国語の堪能な白人女性リンダ(イアン・ヴァンヴィーン)の協力も得て、唐山は査理の送り込んだ刺客を次々と倒していきます。
ここで注目なのが本作『大鄉里大鬧歐洲』という作品がこの異国にやって来た中国人が西洋人相手に自らの中国武術を用いて闘うといシチュエーションをテーマとしている点です。で、実は査理のバックにはオランダの闇組織に君臨する教父、つまりゴッドファーザー(ジャン・ウィリエム・ストーカー)が控えていて、哀れ唐山に優しくしてくれたリンダはゴッドファーザーの手下によって惨殺されてしまいます!そしてゴッドファーザーの命を受けた査理は唐山を呼び出し麻薬を取り戻そうと、怒りと悲しみに震える唐山に電話での呼び出しをかけます。
査理「唐山、お前がノンビリとオランダの観光気分でいるからその女は死んだんだぞ!」
唐山「査理、リンダを何故殺した?彼女は何の関係もない人だ!」
査理「唐山、死にたくなかったらブツを渡せ!場所は判ってるな?」
唐山「査理?査理ィィィィ!」
リンダの復讐を誓った唐山は李抜羅の家を飛び出すと、猛然とオランダの街を走ります!(ここであの呂小龍主演『神龍猛探』(80)でも使用された勇壮なテーマ曲がガンガン!流れます!燃えるぜ!)
ここからの唐山と査理、その外人軍団との乱戦、そして遂に自ら唐山を倒すべく姿を見せたゴッドファーザーと唐山の激闘は、オランダを象徴する風車小屋を舞台に延々と展開されていきます!
特にゴッドファーザー役のジャン・ウィリエム・ストーカーの豪快かつパワフルな蹴り技と金童のクラシカルな中国武術の真っ向勝負は素晴らしく、改めて本作の武術指導を担当した今は亡き陳少鵬に敬意を表したいですね。
この『大鄉里大鬧歐洲』は、言うまでもなくリーさんの初導演作品『ドラゴンへの道』(72)、または倉田保昭&梁小龍主演『無敵のゴッド・ファーザー/ドラゴン世界を征く』(74)の焼き直し的作品ではあるのですが、逆に主演の金童の如何にも中国人然とした柔和な雰囲気と、その一見地味に見えながらも実は本格派&本物の中国武術の切れ味が、本作に独特の説得力と十分な見応えを生み出していると言っていいでしょう。
張徹導演率いる張家班から叩き上げて数々の主演作を残した金童ですが、この海外ロケによる異色作である本作『大鄉里大鬧歐洲』も是非多くの方に観て欲しい作品の1本です。
本作は又題を『跨海西征』と言いまして、当時の香港&台湾映画としてはユニークなオランダはアムステルダムに海外ロケーションを敢行しています。
物語は香港から来た主人公の唐山(金童)がアムステルダム在住の兄貴分の査理(高雄。本作では林探表記)の許を訪ねる所から始まります。唐山は母親(黎灼灼)から「和蘭でしっかり働きなさい。あと西洋の女性と仲良くなって、香港に連れて帰って来たりは絶対しないで!」と厳しく言い渡されていて、現地での唐山は予想通り(?)何度も金髪美女に誘惑されますが、何とかその金髪美女の猛アタックを切り抜ける毎日(苦笑)。
ところが査理の指示通りに渡された包みを相手に届けるという仕事を真面目にこなしていた唐山ですが、ある日その包みの中身が麻薬である事を知り、正義感の唐山はその包みを海に投げ捨ててしまいます。
それを知った査理(実はオランダ・マフィアの幹部!)は、唐山から麻薬を取り戻すために組織の屈強な白人や黒人の刺客を唐山に差し向けますが、現地に住む中国人ジゴロ(苦笑)の李抜羅(李昆)や中国語の堪能な白人女性リンダ(イアン・ヴァンヴィーン)の協力も得て、唐山は査理の送り込んだ刺客を次々と倒していきます。
ここで注目なのが本作『大鄉里大鬧歐洲』という作品がこの異国にやって来た中国人が西洋人相手に自らの中国武術を用いて闘うといシチュエーションをテーマとしている点です。で、実は査理のバックにはオランダの闇組織に君臨する教父、つまりゴッドファーザー(ジャン・ウィリエム・ストーカー)が控えていて、哀れ唐山に優しくしてくれたリンダはゴッドファーザーの手下によって惨殺されてしまいます!そしてゴッドファーザーの命を受けた査理は唐山を呼び出し麻薬を取り戻そうと、怒りと悲しみに震える唐山に電話での呼び出しをかけます。
査理「唐山、お前がノンビリとオランダの観光気分でいるからその女は死んだんだぞ!」
唐山「査理、リンダを何故殺した?彼女は何の関係もない人だ!」
査理「唐山、死にたくなかったらブツを渡せ!場所は判ってるな?」
唐山「査理?査理ィィィィ!」
リンダの復讐を誓った唐山は李抜羅の家を飛び出すと、猛然とオランダの街を走ります!(ここであの呂小龍主演『神龍猛探』(80)でも使用された勇壮なテーマ曲がガンガン!流れます!燃えるぜ!)
ここからの唐山と査理、その外人軍団との乱戦、そして遂に自ら唐山を倒すべく姿を見せたゴッドファーザーと唐山の激闘は、オランダを象徴する風車小屋を舞台に延々と展開されていきます!
特にゴッドファーザー役のジャン・ウィリエム・ストーカーの豪快かつパワフルな蹴り技と金童のクラシカルな中国武術の真っ向勝負は素晴らしく、改めて本作の武術指導を担当した今は亡き陳少鵬に敬意を表したいですね。
この『大鄉里大鬧歐洲』は、言うまでもなくリーさんの初導演作品『ドラゴンへの道』(72)、または倉田保昭&梁小龍主演『無敵のゴッド・ファーザー/ドラゴン世界を征く』(74)の焼き直し的作品ではあるのですが、逆に主演の金童の如何にも中国人然とした柔和な雰囲気と、その一見地味に見えながらも実は本格派&本物の中国武術の切れ味が、本作に独特の説得力と十分な見応えを生み出していると言っていいでしょう。
張徹導演率いる張家班から叩き上げて数々の主演作を残した金童ですが、この海外ロケによる異色作である本作『大鄉里大鬧歐洲』も是非多くの方に観て欲しい作品の1本です。